札幌市教委　幼小中教育課程研究協　学習指導改善・充実に　ＩＣＴ活用した取組推進など

（札幌市 2021-12-10付）

小中一貫した教育の推進などについて説明した

　札幌市教委は７、８日、市教育文化会館とオンラインで幼小中合同教育課程研究協議会を開いた。２日間合わせて、教育文化会館で開いた全体会に約３８０人、オンラインで実施した各教科等部会に約３７０人が参加。幼児教育段階、義務教育段階を見通した教育課程の編成、指導等の改善・充実を目指して研鑚を積んだ。

　協議会は、幼稚園、小学校、中学校の教職員が幼児教育段階から義務教育段階までを見通した教育課程の編成や指導の在り方などについて理解を深め、目標や課題を共有することで、学校教育の改善・充実を図るもの。前年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止。本年度は、感染症拡大防止の観点から会同とオンラインのハイブリット型で実施した。

　教育文化会館を会場に実施した全体会では、相沢克明学校教育部長が開会あいさつ。中央教育審議会が答申した２０２０年代を通じて実現を目指す学校教育「令和の日本型学校教育」についてふれ、「これまでの日本型学校教育が果たしてきた役割を継承しつつ、学校における働き方改革、ＧＩＧＡスクール構想を強力に推進することや学校教育を支えるすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、互いに連携していくことなどが求められている」と指摘。その上で参加者に向け、これまでの自校の取組を客観的にとらえ直す機会とするとともに、様々な成果をもち帰り、今後の教育課程の改善・充実につながるよう期待した。

　続いて、市教委の各担当者が、①小中一貫した教育の推進②ＩＣＴを活用した教育の推進③学習指導と学習評価の一体的な改善に向けて④特別支援教育にかかる内容―の４点について説明。うち①については、武田暁仁義務教育担当係長、岩田悟義務教育担当係長、大巻太一義務教育担当係長、アルティみお義務教育担当係長が担当した。

　武田係長と岩田係長は、来年度に市において全面実施する小中一貫した教育にかかわって全市共通で推進する２つの柱として、「課題探究的な学習」「発達の段階に応じた継続的な子どもの理解」の２点を掲げていることを確認。その上で、「２つの柱にかかる重点や具体的な取組を定めて持続可能な仕組みづくりなど、できるところから実施し、やってみてよさを実感することが重要」と強調した。

　大巻係長は、小中一貫した教育の実施によって期待できる教育効果をイメージして具体的に取組を進める必要性を指摘。アルティ係長は、現在各中学校区で作成を進めているグランドデザインの効果的な活用を呼びかけた。

　全体会のあと、オンラインを活用し、幼小中合同各教科等部会に分かれて研究協議。研究発表者の具体的な実践に基づき、各園・校の創意工夫を生かした指導計画や幼児教育段階から義務教育修了段階までを見通した学習指導、評価の改善・充実に向けて意見を交わした。

(札幌市 2021-12-10付)