檜山局 学び合いプロジェクト 尊厳守る意味 再確認 特別版 日大・藤平教授講話
(道・道教委 2021-12-22付)

オール檜山学び合いプロジェクト
実際の裁判事例をもとに意見を共有した

 【函館発】檜山教育局は17日、オール檜山学び合いプロジェクトをオンラインで実施した。日本大学文理学部の藤平敦教授が「適切な対応について考える~不適切な対応であると、学校が訴えられた事例を踏まえて」と題して講話。参加した管内の管理職や教員、町教委職員約30人は、子どもの尊厳を守る意味を再確認し、誰もが安心して過ごせる環境づくりについて理解を深めた。

 講座は管内の学校をオンラインで接続し、教育実践や業務の進め方などについて共有することで、今後の取組の参考とするもの。今回は生徒指導特別版として、国立教育政策研究所で生徒指導・進路指導研究センター統括研究官を務めていた藤平教授を講師に招いた。

 藤平教授は、ある小学校で悪ふざけや仕返しと称して行われていた児童の行為を担任教諭がいじめと認識せず、保護者に訴えられた裁判事例を提示。いじめ防止対策推進法にある「児童等の尊厳を保持する」との目的に基づき、教諭の具体的なつまずきの場面を示した。

 参加者はブレイクアウトルームに分かれ、「担任教諭の対応は不適切であったか」「どのように対応すべきであったか」の2点について考えを共有。「管理職に対する相談の場面が少なく、担任が一人で対応しているように感じた」「4月当初から場当たり的な指導が続いている。日ごろから保護者と信頼関係を築くべき」といった意見が挙がった。

 また、裁判判決で教諭の対応の一部が「いじめ行為を受けた児童の人格権を侵害するものとして、国家賠償法上違法といわざるを得ない」との判断が下されたことを踏まえ、「一人の児童の話だけで判断せず、全体像をとらえることが重要と感じた」「一人ひとりの教員が人権意識を持って取り組む必要がある」などの回答も寄せられた。

 藤平教授は「いじめに関する記録を学校が保管していないケースも多くみられる。子どもたちの成長を確認する上でも、“いつ、何が発生し、誰が書いたか”を簡単に記入しておく必要がある」と解説。適切な対応を心がけるには「日ごろから教職員間で報告・相談に努めることが大切」と呼びかけた。

(道・道教委 2021-12-22付)

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