道教委 地学協働学習支援事例発表会 ICTで教育環境構築を トークセッション、3町報告等
(道・道教委 2021-12-24付)

地学協働学習支援事例発表会
左から池野部長、本間氏、辻教育長

 道教委は21日、地学協働による学習支援事例発表会をオンラインで初開催した。道教育大学前学長の本間謙二氏、函館市教委の辻俊行教育長、道教委の池野敦教育部長によるトークセッションでは、ICTを最大限活用し、地学協働で子どもの教育環境を構築する重要性を確認。比布町など3町が学習塾・大学・NPO法人と連携した学習支援の事例を発表した。

 学校・家庭・地域が相互に連携・協働し、地域全体で子どもたちの成長を支える環境を整備する重要性を確認するとともに、望ましい生活習慣の確立や学習保障、学力向上などを目的に地域の団体と学校、行政が連携して行う学習支援の取組を共有し、地域の実情に応じた学習支援の推進を図るもの。

 道庁別館を主会場として開催。市町村教委、市町村と連携している民間団体やNPOの関係者ら132市町村から約240人が参加した。

 トークセッションで本間氏は、本道の教育課題として「義務教育段階における知識・技能の定着」「多様な仲間とふれ合い、刺激を受ける環境の提供」を挙げ、地域を越えたネットワークの構築やICTを最大限に活用する重要性を強調。「地域全体で子どもを育てる意識を共有し、効果的に教育資源を活用することで“自ら考え、自ら学ぶ子ども”を育てることが可能となる」と述べた。

 辻教育長は、全国学力・学習状況等調査の公表に関し、「全国平均との差を強調するのではなく、子ども一人ひとりのよさや改善の方針に重点を置くことが必要」と指摘。学習指導要領を踏まえた授業改善を徹底する学校の役割・責任を示した。

 また、コーディネーターを複数配置して取組を進めている市のコミュニティ・スクールについて紹介。地域の住民、団体、企業との協力関係を構築する重要性を説いた。

 池野教育部長は、学校教育と社会教育を両輪として子どもに必要な学習や体験の場所を提供する積極的な支援の必要性が確認されたとし、「家庭における学習・生活習慣の定着も依然として大きな課題。助言を参考に施策に生かしていきたい」と述べた。

 続いて、道内各地の地学協働による学習支援の取組事例を発表。比布町は錬成会グループとの連携による学習塾、黒松内町は道教育大学との連携による町営塾、遠別町はNPO法人えんおこと運営する公設民営塾の取組や成果を示した。

 最後に、日本大学文理学部教育学科の佐久間邦友助教が事例発表を講評。全国で学習機会の格差が生じ、学校外における教育機会の保障の在り方を考える時期にきているとし、地域の実情に合致した学習支援の仕組みの構築、文部科学省の地域未来塾など、様々な事業やICTを活用する重要性を説いた。

 後日、市町村教委など関係者を対象に、発表会の動画をオンデマンド配信する。

(道・道教委 2021-12-24付)

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