上富良野町４年度教育行政方針　学力育成プランを作成　端末等活用へ検証実践集約

（市町村 2022-04-05付）

服部教育長

　【旭川発】上富良野町教委の服部久和教育長は４年度教育行政執行方針で、学力向上に向けて「確かな学力の育成プラン」を作成し具体的方策を進めていく方針を示した。また、重点とするＩＣＴ教育の推進について、ＩＣＴ教育推進委員会を中心にタブレットやデジタル教科書の活用時について検証と実践を集約するとともに、タブレット端末の家庭への持ち帰り、ポケットワイファイの貸与を継続するとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の推進

　学校経営・教育課程については、地域学校協働活動の推進を図る。また、幼児教育と小学校教育の連携および円滑な接続に向けて「町のびのびプラン」を推進していく。

　上富良野小学校に学習支援員を引き続き配置し、就学後の児童への細やかな支援と学習規律の早期定着を図る。さらに、小学校の教科書改訂時期に合わせ、６年度から使用する社会科副読本『かみふらの』の第１２次改訂編集作業に着手する。

　教職員の働き方に関わっては、中学校の部活動指導者について地域移行への検討・協議を継続していく。

　確かな学力の育成について、個に応じた指導の充実を図るとともに「確かな学力の育成プラン」を作成し具体的方策を進めていく。

　また、重点項目としたＩＣＴ教育の推進について、「ＩＣＴ教育推進委員会」を中心にタブレットやデジタル教科書の活用について、その効果の検証と実践の集約、児童生徒の意識調査等を進める。合わせて、タブレット端末の家庭への持ち帰り、通信環境が整っていない家庭へのポケットワイファイの貸与を引き続き行っていく。

　教員に対しては、ＩＣＴ機器を活用した実践の研修や実践校視察等を通して、ＩＣＴ活用のスキルや授業力向上に努める。

　豊かな心の育成については、農業や防災、職場体験などの学習活動の中で町の基幹産業や自然・環境を学ぶ「ふるさと学習」を進める。

　また、福祉関係や高齢者と触れ合い体験など、地域の様々な人と関わる活動を通して、児童生徒の豊かな人間性や社会性の育成に努めていく。

　健やかな体の育成については、「学校の新しい生活様式に基づいた健康管理の徹底」をさらに進める。

　体力面については、各学校が体力づくりに向けて取り組んでいる「一校一実践」がさらに継続・充実した取組へと発展するよう支援する。体力テストへのボランティア派遣、中学校の体育授業への支援を継続し、栄養教諭による「食育授業」を引き続き推進し、保健福祉課のかみふっ子健診や各学校と連携した取組を推進していく。

　児童生徒の指導等については、特に「いじめの早期発見と防止」に向けて「町いじめ防止基本方針」を踏まえた取組の継続に合わせて、感染症に関わる差別・偏見等に対する人権教育の推進を図る。

　重点項目とした不登校対応の充実については、臨床心理士を中心としたカウンセリングや教育相談体制の充実を図るとともに、不登校の児童生徒が学習したり、体験活動したり、また、保護者同士が気軽に相談し合える場の設定に向けて検討を進めていく。

　さらに、不登校や不登校傾向の児童生徒と学校のつながりを途絶えさせないよう、オンラインによる配信等の体制づくりも進める。

　重点項目とした特別支援教育の充実については、保護者との合意形成を大切にした教育相談の充実を図り、児童生徒にとってより適正な「学びの環境」の提供に努めていく。

　また、各関係者・機関が連携し「すくらむかみふ」を有効に活用しながら、在籍後の実態や学びの状況を共有しつつ、個々の自立や進路、社会参加に向けた支援を積極的に進める。

　加えて、上富良野小学校と西小学校、中学校に「特別支援教育指導助手」を引き続き配置する。

　上富良野高校の振興については、特色ある教育活動として「地域探究活動」「ｅスポーツ同好会」や「泥流地帯朗読劇同好会」などを積極的に支援する。

　本年度も引き続き、通学費や就学支援金、入学準備金の助成、介護職員初任研修をはじめとする各種資格取得への支援のほか、希望者を対象にした学校給食の提供を行う。

　さらに、４年度から個人所有の端末を利用した授業ＢＹＯＤが導入されることから、入学準備金を拡充し端末購入費用を助成する。

　これまでと同様、地元関係各位に協力いただき、地元高校存続に向けて全力を尽くして取り組んでいく。

(市町村 2022-04-05付)