江別市教委　全小中学生にカード　いじめよけお守り作成　相談窓口周知　心の支えに

（市町村 2022-04-05付）

カードを手に、いじめ根絶を呼びかける遠藤主任

　江別市教委は、「いじめ根絶・相談カード」を作成し、市内全小中学生に配布した。カードは、８・６㌢㍍×５・５㌢㍍のポケットサイズ。「いじめよけ　お守り」「その想い、話してみませんか？」などのメッセージを添え、児童生徒にとってなじみやすい工夫を凝らしている。市教委は「カードを手元に置いておくことで、児童生徒の心の支えになれば」と願っている。

　市教委は、いじめの被害を受けた児童生徒などが市教委に対して心の声を直接伝える「心のダイレクトメール」を実施している。

　一方で、３年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査において、「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う」と回答した市内児童生徒の割合は、小学６年生９１・５％、中学３年生８６・３％に。市総合教育会議では、委員から、設問に対する回答を「１００％にしたい」とする意見が相次いだという。

　これを受けて市教委は、児童生徒への意識啓発のさらなる強化や、気軽に相談できる窓口の再周知が必要と判断。教育支援課の遠藤史紀主任と吉田美穂主事が中心となり、いじめ根絶・相談カードを作成した。

　カードは、８・６㌢㍍×５・５㌢㍍のポケットサイズ。小学生用カードは縦書きで、表面は「いじめよけ　お守り」と記載。児童たちになじみやすいよう、シンプルなデザインに仕上げている。中学生用は横書きで、表面には、くしゃくしゃにしてから再度広げた紙をイメージし、「いじめられた人の心は、きれいに元どおりに戻らない」（吉田主事）ことを表している。

　裏面には、心のダイレクトメールの電話番号やＱＲコードを添付し、「悩みを一人で抱え込まず、いやなことがあればすぐに発信してほしい」（遠藤主任）という願いを伝えている。

　カードは、ことし３月に市内の公立小中学生全員に配布。４年度も、新入生などに配布し、いじめ根絶とともに早期発見、早期対応の周知を図る。清水さおり課長は「ぜひカードを手元に置いてもらい、児童生徒にとって心の支えになれば」と話している。

(市町村 2022-04-05付)