小樽市4年度教育行政執行方針 デジタル教科書 全小・中に配備 小中高連携協を新たに設置
(市町村 2022-04-01付)

小樽市林秀樹
林教育長

 【小樽発】小樽市教委の林秀樹教育長は4年度教育行政執行方針において、学習者用デジタル教科書を全小・中学校へ配備するなど、各種施策に取り組むとした。また学校段階間の連携・接続のため、小樽市小中高連携協議会を新たに設置し、学校教育の諸課題解決に向けて取り組んでいく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼コロナ禍における学びの保障

 必要な保健衛生用品等の充実や、1人1台端末を効果的に活用するため、ICT支援員やヘルプデスクを配置するとともに、学習指導員やスクール・サポート・スタッフを全校に配置するなど、サポート体制の充実を図る。端末整備による児童生徒の机の広さを確保するため、計画的に新JIS規格の机に更新するほか、端末の破損を防ぐためのソフトケースなど、付属品を整備する。

▼未来を創る力の育成

 義務教育9年間を見通した教育課程の編成や指導方法の工夫改善、小学校高学年における教科担任制など、指定校における包括的な学校改善を行うとともに、新たに授業改善推進チームを小学校に3人、加配で配置し、1人1台端末を活用した授業改善や、学習者用デジタル教科書を全小・中学校へ配備するなど、各種施策に取り組む。

 特別支援教育では、通級指導教室4校に加え、新たに長橋小学校に開設し、支援が必要な児童生徒を支援していく。

▼豊かな心の育成

 ふるさと教育について、教材『小樽の歴史』を活用した学習を充実させるほか、読書活動の推進については、学校司書の配置を7人から8人に増員し、児童生徒の読書習慣の確立に努める。

 いじめの防止や不登校児童生徒の支援については、登校支援室における指導、訪問型支援、ICTを活用した支援を継続するとともに、コロナ禍における児童生徒の心のケアにも対応するため、スクールカウンセラーの派遣回数を拡充し、教育相談体制の強化を図る。

▼健やかな体の育成

 体育専科教員による体育の授業改善と栄養教諭を中心とした食に関する指導を両輪として取り組む実践校を指定し、公開研究会等を通してその取組の成果を広く普及していく。

 小・中学校体力向上検討委員会において、教員向け指導資料を作成するとともに、各種スポーツ教室やスポーツイベント等への一層の参加促進を通して、健康の保持増進および体力・運動能力の向上に努める。

▼家庭・地域との連携・協働の推進

 引き続き児童生徒に対し「生活習慣スケジュール表」の活用や「おたるスマート7」ルールの徹底を促すほか、子どもが自ら読書に親しめる環境整備のため、新たに市立図書館が選定した分かりやすく親近感が湧くテーマの図書等を小・中学校へ巡回・配本し、生活習慣の改善を目指す。

 放課後などに地域の人材を小・中学校に派遣し学習支援を行う「樽っ子学校サポート事業」や、地域住民等と連携し、子どもの安全・安心な居場所を提供する「おたる地域子ども教室」のほか、プログラミング教室やジュニア科学講座など、各種体験教室を長期休業中などに開催し、児童生徒の望ましい生活や学習習慣の確立に努める。

 コミュニティ・スクールについては、小・中学校9校を新たに指定し、19校で地域住民との連携・協働による学校づくりを進める。

▼学びと育ちをつなぐ学校づくりの実現

 学校段階間の連携・接続については、全中学校区において、義務教育9年間を見通した学力や体力の向上、中1ギャップの解消等に向けた小中一貫教育の取組に加え、市小中高連携協議会を新たに設置し、学校教育の諸課題の解決に向けて取り組んでいく。

 忍路中央小学校と忍路中学校が小中併置校となることを契機に、文部科学省の授業時数特例校制度を活用して、総合的な学習の時間を増やし、忍路鰊漁撈の行事や忍路環状列石などの地域資源を生かした「ふるさと学習」を行うなど、体験的な学びの充実を図る。

 学校施設の整備については、忍路中央小の校舎・屋内運動場の耐震補強工事とともに、校舎の屋上防水やトイレ洋式化などを改修するほか、桂岡小学校の耐震補強や、朝里中学校校舎の長寿命化改修に向けた実施設計を行う。望洋台小学校と桜町中学校の屋内運動場に設置している暖房設備を更新し、教育環境の改善を図る。

 教職員の働き方改革については、部活動指導員の配置時間数を拡充するほか、小・中学校各3校へ先行して導入した校務支援システムの効果的な活用について検証していく。

▼生涯各期における学習機会の充実

 図書館では学習室の内窓を改修し、室内の換気を改善する。総合博物館では当館が所有する鉄道車両のうち、老朽化が進む除雪車両「キ752」の塗装補修を行う。

▼文化芸術の振興と文化遺産の保存活用

 文化芸術の振興については、子どもたちが地域の伝統芸能や無形文化財に触れる機会の提供や、親子で日本の伝統文化を体験する「伝統文化親子教室」の開催を支援するほか、特別展や市文化祭、学校における芸術鑑賞事業の実施などを通じ、引き続き取り組んでいく。

▼生涯スポーツ・レクリエーションの振興

 子どもたちのスポーツに対する取組では、地域の社会教育団体やスポーツ団体の協力を得ながら、未就学児や小学校低学年児童を対象に、スポーツとの出合いの場を提供するなど、子どもの体力向上への支援に努めていく。

▼市制施行100周年記念事業

 ふるさと教育の充実を図るため、児童生徒が校区のお薦めの場所を掲載した「散策マップ」を作成し、観光客等へ広く紹介する「子どもたちが選ぶ“ふるさと100選”事業」を実施する。

(市町村 2022-04-01付)

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