滝川市4年度教育行政執行方針 アフターコロナ 教育の在り方検討 いじめ未然防止・早期対応(市町村 2022-04-18付)
滝川市教委・田中嘉樹教育長
【岩見沢発】滝川市教委の田中嘉樹教育長は、4年度教育行政執行方針で教育推進計画について、アフターコロナ時代の教育の在り方について検討していく意向を示した。またSNSによるインターネット上のいじめや新型コロナウイルス感染症に関連したいじめ、差別、偏見などにも対応すべく、いじめ防止専門委員会やいじめ問題対策連絡協議会の専門的な知見を取り入れ、未然防止と早期発見・早期対応に努める。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育について】
▼社会の持続的な発展をけん引するための、確かな学力と多様な力を育む
教育推進計画については、5年度を始期とする次期計画の策定に向け、国の教育振興基本計画、道教育推進計画を踏まえつつアフターコロナ時代の教育の在り方を検討していく。
ICT教育については、GIGAスクール構想によって整備された1人1台端末で、学習者用デジタル教科書や授業支援システムなどのソフトウエアを効果的に活用し、情報活用能力の育成を図る。
ICTを活用する教職員のスキルアップについては、引き続き空知教育センターが主催するGIGAスクール対応講座やプログラミング教育に関する研修の活用を促し、ICT環境下での実践力を養成する。
学力向上対策については、学びサポーターの継続配置と併せ、特別な支援を必要とする児童生徒の増加に対応すべく特別支援学級支援員を増員するなど、より充実した学習環境を確立するとともに、小・中学校連携による家庭学習強化週間の取組を継続する。
児童個々に応じたきめ細かな指導や授業を担当する教員への指導助言を通して授業の改善を図る、道教委の授業改善推進チーム活用事業を滝川第三小学校と西小学校において実施し、併せて他の学校へ広げることによって市全体の学力向上を図る。
次世代を担う子どもたちが国際的な感覚を身に付け、コミュニケーション能力や英語力を養えるよう、引き続き小・中・高校にALTを配置するとともに、実践的な英会話に挑戦する小学校「英語deトライ」や中学校「Englishトライアル」を実施する。英検IBAや千歳科学技術大学監修のeラーニングシステムなどを活用し、外国語教育の充実に取り組む。
体力向上対策については、体育授業以外にも、より多くの運動の機会を創出するため、特別活動の体育的行事や授業間の休憩時間を活用した外遊びなどの取組を促進するほか、道教委の「どさん子元気アップチャレンジ」などを活用し、環境づくりに努める。
特別支援教育については、引き続き教育支援委員会議による教育相談を実施するとともに、一人ひとりの障がいの状況に寄り添った個別の教育支援計画を作成し、特別な支援を必要とする児童生徒が幼児期から一貫した支援を受けられるよう、福祉部局などと連携して取り組む。
不登校児童生徒への対応については、不登校が生じない魅力ある学校づくり、不登校傾向にある児童生徒を含めた初期段階からの組織的・計画的な支援、不登校児童生徒に合ったきめ細かな継続的な支援の3つの視点を明確にし、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの相談体制を維持するとともに、適応指導教室を活用していく。江陵中学校区においては、小学校から中学校への円滑な接続を目的とした道教委の中1ギャップ問題未然防止事業に取り組み、生徒指導の諸課題の解決を図るとともに、その取組を市内の他の小・中学校へ広げる。
いじめの防止対策については、各校のいじめ対策組織の体制を十分に機能させ、昨今増加が懸念されるSNSによるインターネット上のいじめ、新型コロナウイルス感染症に関連したいじめや差別、偏見などにも対応すべく、いじめ防止専門委員会やいじめ問題対策連絡協議会の専門的な知見を取り入れ、未然防止と早期発見・早期対応に努める。子どもたちがいじめ問題を主体的に考えるための絆づくり成果交流会を開催し、各学校の児童会・生徒会活動を互いに共有し合うとともに、いじめを許さない学校づくりの取組を支援する。
教職員の働き方改革については、業務の効率化や見直しを図るとともに、感染症対策や学級事務等を補助するスクール・サポート・スタッフなどの専門スタッフを配置する。留守番電話の設置、部活動指導に関する負担軽減などの取組を推進し、教職員の長時間労働の解消に努める。
小・中学校の適正配置については、各校区の保護者や地域住民と意見交換を行いながら、将来的な児童生徒数の減少を見据え適正規模や配置について検討する。江部乙中学校と江陵中学校の統合に関しては、生徒が新たな学習環境にスムーズに移行できるよう配慮を続けるとともに、江部乙地区のスクールバスを増便し、生徒の通学支援および安全確保に努める。
コミュニティ・スクールについては、学校運営協議会ごとの活動をサポートするとともに、協議会同士の連携を視野に入れながら地域と共にある学校づくりに取り組む。学校支援地域本部事業については、引き続き地域ボランティアの派遣によって教育活動への支援の充実を図る。
滝川西高校については、高校教育改革の流れを踏まえ、スクールミッションを「礼儀と規律を重んじ、文武両道に励み、志の達成に努める生徒の育成を目指し、一人ひとりを大切に教え導くことで、地域に貢献すること」と定め、これまでの普通科と情報マネジメント科の特徴を生かした取組などをスクールポリシーに含め、魅力ある学校づくりを一層推進していく。
(市町村 2022-04-18付)
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