上士幌町4年度教育行政執行方針 幼小中高で学力向上策 教育情報化へ会議設置
(市町村 2022-04-18付)

上士幌町小堀雄二
小堀教育長

 【帯広発】上士幌町教委の小堀雄二教育長は4年度教育行政執行方針において、本年度から開催する学力向上推進会議によって幼小中高で一体的な学力向上策を展開する方針を示した。また、新・教育の情報化プロジェクト会議を設置し、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの見直しやプログラミング教育、児童生徒のインターネットの特性を理解し正しく活用する能力の向上に努める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼地域ぐるみの子育て支援

▽子育て支援の充実

 認定こども園における保育料等の無料化、小中学生の修学旅行経費、補助教材費、家庭学習ノート、各種検定料等の助成のほか、就学援助世帯には、ICTを活用した家庭での学びを保障するためモバイルルーターの無償貸出を行う。

▽幼児教育の充実

 認定こども園では、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿の取組や36の基本動作による体づくりとともに、指導要録等を用いた引き継ぎによる小学校への円滑な接続とアプローチプログラムの充実に努める。町で積極的に推進しているSDGsやゼロカーボンシティの取組を教育・保育の現場で生かされるよう努める。

 認定こども園の魅力化や特色化を図るため、複数配置している地域おこし協力隊員が中心となり、遊びプログラムの充実と町内在住の外国人を含めた地域交流を推進する。外国の文化への関心と世界に開かれた心を育むため、国際交流推進員と連携した国際交流や異文化交流を推進するほか、特別な配慮が必要な園児に対するサポート体制の強化に努める。

 保育システムの導入など保育のICT化を推進することによって、保育教諭や栄養士の負担軽減と保護者への情報配信の充実に努める。

▼教育環境の基盤整備

▽かみしほろ学園の推進

 幼小中高において、縦の連続性を重視するとともに、学校、地域、行政の横のつながりを深め、3部4グループによって組織的に取り組む。

 総務部は部活動等の校種間連携、連携協働部はSDGsを踏まえたESDの推進や授業交流、研究推進部は子育てサポートブックの有効活用や郷土読本の改訂などを重点的に進める。

▽子どもの読書推進

 2年度に策定した第2期町子どもの読書推進計画に基づき、幼児期から小学校低学年までの子どもが、本に親しみを持ちながら読書習慣を身に付けることを目標としていることから、図書館、学校、家庭、地域が連携して、子どもが本により親しめる環境づくりを図る。

▽学習環境の整備

 小・中学校に学習指導員とスクールサポートスタッフを配置し「学校における新しい生活様式」「新北海道スタイル」を標準とした学習環境の整備に努める。本年度は熱中症対策として、小学校および中学校の普通教室に冷房設備を設置する。

 小学校全学年における35人学級の方針は、町ではすでに実施していることから、本年度から全ての学年において30人学級を進める。少人数によるきめ細かな指導と多様化・複雑化する課題に適切に対応すると同時に、新型コロナウイルス感染症対策として教室環境の改善を図る。

▽教職員の働き方改革

 町働き方改革推進会議を開催し、こども園、小・中学校、高校が連携し、効率良く現状分析・改善を進めるとともに、働き方改革の手引『Rord』を活用した業務の平準化や効率化に努める。

▼義務教育の充実

▽確かな学力の向上

 バランスの取れた教育課程の編成・実施・評価を工夫するとともに、授業や家庭学習で利用できるデジタルドリルを効果的に活用するほか、自ら学び自ら考える力を育てる探究型の授業展開を充実させる。単元構成で「主体的・対話的で深い学び」を適切に位置づけ、授業そのものの質を高め、子どもたちが持続的に人生や社会を自ら創出できる資質・能力を向上させることを目指す。

 本年度から開催する学力向上推進会議によって機動力を発揮し、幼・小・中・高で一体的な学力向上策を展開する。

▽豊かな心と健やかでたくましい心身を育む教育の推進

 家庭におけるテレビやスマートフォン、ゲームの時間のルールや生活習慣の見直しが必要であり、小・中学校からの通信等の資料提供や生活リズムチェックなどの活用・啓発の取組を通して生活習慣に対する関心や意欲を高め改善を図る。

 学校におけるいじめの未然防止の推進に向けていじめ防止等対策会議を開催し、関係機関との連携や情報共有を進める。

 本年度から町教育研究所と連携し、教育行政の調査研究をはじめ、郷土の歴史資料の収集および整理、研究資料等の編集など、専門的事項を調査研究する歴史資料調査研究専門指導員を配置する。

▽情報活用能力の育成と国際理解教育の推進

 新・教育の情報化プロジェクト会議を設置し、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの見直しやプログラミング教育、インターネットの特性を理解し正しく活用する能力の向上に努める。

 ITスキルを持つ十勝EdTechコンソーシアムや道情報大学と連携して、専門性を持った外部講師による体験活動や出前授業を通じた多様な学習活動を推進するとともに、保護者や地域の人の得意分野を生かす取組を進める。

 国際理解教育については、外国人英語指導助手および国際交流推進員を中心に、認定こども園と上士幌小学校の接続を考慮した取組や小中学生と外国をオンラインでつないだ交流活動の充実を図る。

▽高校の振興

 地域の企業等と連携した説明会の開催や職業観を育むキャリア教育を支援するとともに、学校内外で活躍する高校生を全力で応援し、活力ある学校生活、提案力ある地域貢献、対応力ある進路実現を地方創生、地域振興の視点で管内全体に発信していく。

(市町村 2022-04-18付)

その他の記事( 市町村)

黒松内町4年度教育行政執行方針 オンライン町営塾運営 放課後児童クラブ等見直し

黒松内町鈴木浩勝  【小樽発】黒松内町教委の鈴木浩勝教育長は4年度教育行政執行方針において、児童生徒個々に合わせた基礎学力の定着と学習意欲の向上を図るため、オンラインを活用した町営塾を運営していくとした。放課...

(2022-04-22)  全て読む

室蘭市4年度教育行政執行方針 子ども未来指針を策定 校務支援システム導入

室蘭市伊藤博明  【室蘭発】室蘭市教委の伊藤博明教育長は4年度の教育行政執行方針において、これまでの市学力向上基本計画の成果と課題を踏まえて、5年度に向けて、新たに「室蘭市子ども未来指針」を策定することを表...

(2022-04-21)  全て読む

稚内市4年度教育行政執行方針 家庭学習の環境を整備 フィルタリングソフト導入等

稚内市表純一  【稚内発】稚内市教委の表純一教育長は4年度教育行政執行方針において、フィルタリングソフトを導入してセキュリティを強化することでさらに安心した家庭学習ができるようにし、Society5・0時...

(2022-04-20)  全て読む

登別市4年度教育行政執行方針 CBTシステムを導入 2小学校 7年度に統合へ

登別市武田博  【室蘭発】登別市教委の武田博教育長は4年度教育行政執行方針で、文部科学省のCBTシステムを導入し、誰一人取り残すことなく学びを止めない環境を整備していく方針を示した。また、幌別東小学校につ...

(2022-04-20)  全て読む

占冠村4年度教育行政執行方針 義務教育学校化を検討 占冠中央小と占冠中で

占冠村多田淳史  【旭川発】占冠村教委の多田淳史教育長は4年度教育行政執行方針で、学力向上に向けて義務教育学校、小中一貫校の強みを生かした連携強化によって、誰一人取り残すことのない教育活動の充実に努める方針...

(2022-04-19)  全て読む

鶴居村4年度教育行政執行方針 校務支援システム導入 小学校高学年で教科担任制

鶴居村村上明寛 【釧路発】鶴居村教委の村上明寛教育長は、4年度教育行政執行方針において、学校における働き方改革を推進するため、校務支援システムを各校に導入するほか、ICT支援員の配備を継続するとした。また...

(2022-04-18)  全て読む

元釧路市小学校長の一本嶋さん 冊子『鳥取小物語』出版 地域の歴史記録 授業に活用

鳥取小プレミアム自主製作  【釧路発】今春、釧路市立鳥取小学校を定年退職した前校長の一本嶋仁志さんが、鳥取地区の歴史や同校卒業生の証言などをまとめた冊子『鳥取小学校物語プレミアム~鳥取文化のプライド』(A4判、136...

(2022-04-18)  全て読む

石狩市教委 3年度全国体力等調査結果 体力合計 小学男子が全国超 地域の教育力活用した施策を

表  石狩市教委は13日、3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の概要をまとめ、市議会建設文教常任委員会に報告した。体力合計点は、小学校男子がわずかに全国平均を上回り、小学校女子、中学校男女が...

(2022-04-18)  全て読む

滝川市4年度教育行政執行方針 アフターコロナ 教育の在り方検討 いじめ未然防止・早期対応

滝川市田中嘉樹  【岩見沢発】滝川市教委の田中嘉樹教育長は、4年度教育行政執行方針で教育推進計画について、アフターコロナ時代の教育の在り方について検討していく意向を示した。またSNSによるインターネット上の...

(2022-04-18)  全て読む

札幌市立小・中 学校徴収金総括の体制整備 財務のスペシャリストに 教員負担軽減など期待する声

 札幌市立小・中学校で学校事務職員が学校徴収金を総括する体制整備が進んでいる。3年7月に札幌市学校運営支援室が検討委員会を立ち上げ、共同実施推進計画を策定。従来、学校事務職員が担当していた公...

(2022-04-18)  全て読む