室蘭市4年度教育行政執行方針 子ども未来指針を策定 校務支援システム導入(市町村 2022-04-21付)
室蘭市教委・伊藤博明教育長
【室蘭発】室蘭市教委の伊藤博明教育長は4年度の教育行政執行方針において、これまでの市学力向上基本計画の成果と課題を踏まえて、5年度に向けて、新たに「室蘭市子ども未来指針」を策定することを表明。子どもたちの力を一層伸長する方策を示すとしている。また、校務支援システムを導入し学校事務の効率化を図る。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【子どもたちの創造性と可能性を育む】
▼「確かな学力」の育成
1人1台端末・デジタル教科書などのICTを活用しながら、主体的・対話的で深い学びの授業づくりに努めるとともに、これまでの市学力向上基本計画の成果と課題を踏まえて、5年度に向けて新たに市子ども未来指針を策定する。この中で、室蘭の子どもたちの力を一層伸長する方策を示す。
▼「豊かな心」の育成
「特別の教科 道徳」を要とし、全ての教育活動を通じ、多様な他者の人格・個性・立場を尊重する態度や、誰に対しても公正・公平に接し、差別や偏見のない社会の実現に努める大切さや生命尊重、思いやりの心などを育む。また、いじめで苦しむことのない、未来に向けて安心して学ぶことができる環境を整えていくため「いじめ防止対策推進法」に基づく組織体制を整備するとともに市いじめ防止基本方針を改訂し、学校現場における未然防止や早期発見の取組を中心に、いじめは絶対に許さないという意識を高めていく。
さらに、1人1台端末の活用に伴い、情報モラル教育などを通して、インターネットにおける規範意識や防犯意識の向上に取り組む。
▼健やかな体
コロナ禍で低下していると言われている子どもたちの体力について、実態に合わせた各校の体力向上プランを基に小・中学校9年間を見通した子どもたちの体力向上、運動習慣の定着に努める。
また、望ましい食習慣の醸成や食と健康に関する知識の定着を図るため、栄養教諭による食育指導や「がん教育」の取組を計画的に推進する。
▼だれ一人取り残すことのない教育の推進
市内3ヵ所の言語通級指導教室での指導や巡回指導の充実、また、障がいの有無にかかわらず、全ての子どもができるだけ同じ場で共に学び共に育つインクルーシブ教育の推進など、早期から一貫した支援を行うことで、教育環境の整備・充実に努める。全ての子どもたちが安心して教育を受けることができるよう、就学援助や特別支援教育就学奨励費の支給、学習支援事業の周知と支援、相談体制の充実などを進めるほか、学校に生理用品を備え、子どもたちの心と体の健康を守る。
不登校への対応については市教育サポートセンターくじらんと福祉関係機関とのさらなる連携によって、子どもと保護者への支援の充実を図るとともに、事例研修などを積み重ねることで個々人の特性を踏まえた、より的確な支援が可能となるよう努める。
▼特色ある教育活動等の推進
本市の優位性を生かした、環境教育の推進として、PCB廃棄物処理施設や環境科学館・図書館「えみらん」などと連携した室蘭こども環境学習を実施し、環境意識を高める取組などを推進する。
【子どもたちの学びの環境を整える】
▼ICTを活用し創造(想像)力を育む学習環境の推進
多様な子どもたちのニーズに合わせ、GIGAスクール構想に対応した1人1台端末の一層の活用を通して、新たな時代に求められる創造(想像)力や情報活用能力などの育成に努める。非常変災時などの学びの保障の一つとして、家庭でのオンライン学習についても取り組む。さらに、各教室に配置している大型提示装置を順次更新するなど、ICTを活用した学習環境の一層の整備に努める。
▼子どもたちと教員が向き合う学習環境の推進
校務支援システムの導入によって教員の抱える学校事務の一層の効率化を図る。併せて、小学校の専科指導や通級指導の加配教員の積極的な活用を図るなど、教員が子どもたちと向き合う時間を確保するとともに、学校運営体制の整備・充実に努める。
また、研究指定事業を通じて、主体的・対話的で深い学びへ向けた授業の改善に努めるとともに、教育研究所においては、全ての学校、教員によるICT、1人1台端末の効果的な活用を目指し、各学校の有効的な取組の情報発信と共有、研修講座の内容充実に努める。
加えて、学校教育に対する信頼を損なうことのないよう、教職員一人ひとりが教育公務員としての責務と立場を自覚し、服務規律を保持する意識の徹底に努める。
▼子どもたちの安全を守る取組の推進
交通安全指導や市内一斉巡回活動、見守り活動を継続するほか、関係機関との通学路の合同点検の実施や「子どもを守る家」の周知徹底、迅速な不審者情報の発信等によって、安全の確保を図る。また、各校の災害リスクに応じた避難訓練や、関係部署との連携による1日防災学校などを実施する。
学校給食については、学校給食衛生管理基準を順守し、子どもたちへの安全・安心な給食提供に努める。
(市町村 2022-04-21付)
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