紋別市議会 中学校部活動アンケート 地域移行 6割程度肯定 教員の指導 「負担」7割超
(市町村 2022-04-25付)

 【網走発】紋別市議会福祉文教常任委員会は、中学校の部活動に関するアンケート調査結果をまとめた。部活動の地域移行について、生徒で58・1%、保護者で66・9%が肯定的な意見を寄せた。教員については、部活動指導に負担を「かなり感じる」「少し感じる」と回答した割合が合わせて70・5%に上った。

 市では、少子化によって減少する部活動の機会確保、教員の負担軽減などを目的に部活動の地域移行に向けた取組を進めている。3年度には国の地域部活動推進事業の委託を受け、運動部活動、文化部活動それぞれでより良い部活動の在り方について検討してきた。

 こうした状況を踏まえ、福祉文教常任委員会は学校部活動の現状を把握するため、市内全中学校(紋別中、潮見中、渚滑中)の生徒、保護者、教員を対象にアンケート調査を実施。2月中旬から下旬にかけてインターネット上で行い、生徒117人(回答率28・3%)、保護者115人(回答率30・0%)、教員38人(回答率80・9%)から回答を得た。

▼生徒

 「部活動で感じている良かった点」に関する質問については、「先輩・後輩(他校の生徒)との交流が図られた」が80・4%と最多で、「体力(技術)が身に付いた」(78・4%)、「あいさつ・礼儀などを学べた」(60・8%)と続いた。

 一方、課題については「学業との両立が難しい」と回答した割合が最も多く、54・5%だった。

 部活動の活動時間と休日の頻度については、いずれも「適当」が最多。活動時間は70・3%、休日は48・1%となった。

 「中学校の部活動も、小学校の少年団のように、先生以外の地域の大人が指導する方法についてどう思うか」との質問については、「よいと思う」が最多の58・1%。「どちらでもよい」が23・9%、「分からない」が10・2%、「よくないと思う」が7・6%だった。

 自由記述欄では「自分が得意なことを生かせる」「普段は関わりのない先輩や後輩と一緒にいろいろなことを学べる」「集団生活に欠かせない礼儀やあいさつなどを身に付けられる」など部活動のメリットを実感する声が多く寄せられた。このほか「外部コーチに来てもらい技術をもっと向上させたい」といった要望や「先生のブラック度が増す」など教員の負担を懸念する意見もあった。

▼保護者

 「学校の部活動で意義があると思うもの」に関する質問では「チームワークや協調性を身に付けることができる」が60・9%で最多。このほか「人間性や忍耐力を身に付けることができる」(45・2%)、「社会性(あいさつ・礼儀等)を身に付けることができる」(39・1%)が上位となった。

 部活動の地域移行については「賛成」が33・0%、「どちらかというと賛成」が33・9%と肯定的な意見が6割を超えた。次いで「分からない」が15・6%、「どちらかというと反対」が10・4%、「反対」が4・3%となった。

▼教員

 顧問などを担当する部活動に「やりがいを感じるか」との質問に「かなり感じる」が13・8%、「少し感じる」が47・2%と、前向きに捉える割合が半数を超えた。

 一方、負担を「かなり感じる」が47・0%、「少し感じる」が23・5%と、部活動指導に負担感を持つ教員が7割に達する実態が明らかになった。

 その要因として最多だったのは「プライベートへの影響が大きい」で87・5%。「授業準備など本務に影響が出ている」(79・2%)、「専門外の活動である」(54・2%)、「手当が少ない」(50・0%)、「代休・軽減が取れない」(45・9%)と続いた。

 現在の部活動の在り方について「改善してほしい点がある」と回答した割合は91・6%に上った。具体的には「平日も含めた部活動の地域移行を進める」(87・3%)、「外部指導者を充実し、土日祝日における部活動の地域移行を進める」(66・7%)、「外部指導者制度の充実」(66・7%)、「特殊業務手当の増額」(54・5%)、「教員に顧問をする、しないの選択権を与える」(51・5%)などが挙がった。

 部活動が地域移行した場合、活動に参加したいかとの質問では「したい」が8・3%、「どちらかといえばしたい」が25・0%となった。

 自由記述欄では「地域移行によって子どもたちの選択肢が増えると良い」「部活動をやりたい教員には手厚い手当があると良い。やりたくない教員がやらなくても良いシステムができるとさらに良い」「地域への移行は賛成、積極的に推進してほしい」「学校での部活動がなくなってしまうと、高校の部活動につながっていかない可能性もある」などの声が上がった。

(市町村 2022-04-25付)

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