根室市４年度教育行政方針　全小・中にＣＳ導入へ　学校給食の在り方調査・検討

（市町村 2022-04-26付）

根室市教委・波岸克泰教育長

　【釧路発】根室市教委の波岸克泰教育長は４年度教育行政方針において、コミュニティ・スクールを全ての小・中学校に導入するとした上でコミュニティ・スクールアドバイザーを委嘱し、円滑な導入と運営の活性化を目指すとした。また、将来的な学校給食の在り方について調査・検討を進るため、仮称・市学校給食検討委員会を設置する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼持続可能な社会の創り手を育てる学校教育の充実

　学力向上に向け、校長・教頭・教諭の代表と教育委員会で組織する学力向上プロジェクト推進会議を継続開催し、学力先進地視察等による授業改善の提言を全校で実施するとともに、道教委の委託事業などを積極的に取り入れた授業改善によって、児童生徒に対する指導方法をさらに工夫・充実させ、市全体の学力向上につなげていく。

　国や道からの教員加配に加え、市街地地区中学校への市独自加配や学力向上等補助教員の確保に努め、個に応じたきめ細かな学習指導を進めていく。

　新入学児童の小学校生活の円滑なスタートを図るためスタートカリキュラムを全小学校で実施するとともに「子育てファイルりんくす・ねむろ」を活用した効果的な引き継ぎなど、幼稚園・保育所と小学校との連携を推進する。

　前年度、新たに市内教職員による研究組織として発足した市学校連携教育研究会を継続し、幼保小中高の連携を強化することによって市全体の教育課題解決に向けた取組の充実を図る。

　根室高校については、根室高校学校教育振興会を通じ、高校生へのパソコン貸与と資格取得の支援、教員の研修事業の連携等に加え、４年度から実施する新学習指導要領の総合的な探究の時間で展開される地域巡検や外部講師活用等の教育活動への支援を拡充していく。

　花咲小学校校舎への道立特別支援学校の分校・分教室誘致に向け道教委と協議を進めるとともに、インクルーシブ教育を主とする包括的な教育スタイルの学校について調査・研究を進める。

　ICT活用について、タブレット端末等を最大限に活用した授業改善、対面指導とICTによるオンライン教育を組み合わせたハイブリット型の新たな教育実践を進化させるため、教員の活用能力の向上や子どもたちのネットモラル教育、ICT機器の更新等について教員研修の充実を図っていく。

　子どもたちがいじめについて考え、行動する力を育むため、根室高と連携しながら小・中学校等の児童生徒代表が参加する子ども会議を開催し、いじめは誰にも起こり得る問題であるとの認識を高め、望ましい人間関係の形成に努める。

　ふるさと学習については、北方領土返還要求運動原点の地として、北方領土に対する教育をより一層推進するとともに、地域の持つ魅力や特性について学ぶ機会の拡充に努め、郷土ねむろを愛する教育を実践していく。

▼社会構造の変化の中で持続的で魅力ある学校教育を実現する教育環境の充実

　子どもたちが安心して充実した学校生活を送ることができるよう、落石地区の小・中学校併置校化に向けた小学校校舎・体育館の改修および中学校校舎の移転・改築のための実施設計を行いつつ、未耐震の課題を解消していく。

　さらに、学校と地域が一体となって子どもたちの成長を支えるコミュニティ・スクールを全ての小・中学校等に導入するため、本制度に造詣の深いコミュニティ・スクールアドバイザーを委嘱し、円滑な導入と運営の活性化を目指す。

　将来的な学校給食の在り方について、学校、保護者、給食協会等で組織する仮称・市学校給食検討委員会を設置し、調査・検討を進めていく。

　市の学校における働き方改革のための業務改善計画に基づき、校長会と連携して全ての学校において校務支援システムで教職員在校時間を客観的に把握・管理するとともに、保護者や地域の理解を得ながら教職員の在校等時間の縮減を図るなど、教員の働き方改革を着実に進める。

▼社会教育・生涯学習活動の充実と文化・スポーツの振興

　総合文化会館の施設整備として、根室市出身の作曲家飯田三郎氏の功績をさらに広く公開展示するため「飯田三郎資料展示室」を総合文化会館喫茶コーナーに移転する。

　図書館については、新たに絵本のヒーローショーを取り入れたねむろっこ図書館フェスティバルを開催するとともに、子どもブックライフ応援事業を継続展開するなど多くの本と出合う環境を充実させる。

(市町村 2022-04-26付)