公立高配置計画検討協議会〈渡島〉 適切な定員調整必要 8~11年度 4~5学級相当減
(道・道教委 2022-04-21付)

 【函館発】道教委は19日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島学区)をオンライン開催した。教育関係者73人が参加。8~11年度における4年間の中卒者数について、4~5学級に相当する減少が見込まれることを明らかにした。函館市内と周辺市町の中卒者減が著しいため、函館近郊市町の公立高校で再編整備を含めた定員調整の必要性を示した。関係者からは「私立高校も定員数を減らしている一方、欠員が生じていながらも募集を続けている道立学校もある」「函館市内の学校の定員数を減らさなければ公立高校同士で入学者の競合が発生してしまう」など適切な定員調整を求める声が上がった。

 冒頭あいさつした渡島教育局の柴田亨局長は「道内では急速な中学校卒業者数の減少によって高校の小規模校化が進む中、教育環境の維持向上を図るためには高校の再編は避けて通れない重要な課題。特色ある高校づくりや高校配置については、活力ある協議活動を進める観点で進めていきたい」と述べた。

 引き続き、道教委高校教育課の岡内誠配置・制度担当課長が学区別検討事項を説明。7年度の中卒者について、2~3学級に相当する176人の減が見込まれることを示し「市町ごとの中卒者の状況など、これまでの定員調整を考慮した検討が必要」と述べた。

 8~11年度の4年間では、4~5学級に相当する300人以上の中卒者減が見込まれることを説明。特に8年度と10年度は函館市、北斗市で大幅な減少が見込まれるため函館市周辺市町で再編整備を含めた公立高校全体の定員調整を検討する必要性を強調した。

 4年度時点で欠員が40人以上生じているのは函館水産高校、大野農業高校、八雲高校の3校。

 地理的状況等から再編が困難で、地元からの進学率が高い高校を位置づける地域連携特例校について、本年度、長万部高校は1学年の在籍者が20人未満だが、地域からの声もあり「再編整備留保の検討が必要」とした。

 意見交換では正確な定員調整を求める意見が挙がった。函館大学付属有斗高校の山田伸二校長は「中卒者数の減少を鑑みて、私立高校も平成28年度から定員数を減らしている一方、渡島学区では、欠員が生じていながらも募集を続けている道立学校もある。今後の状況を考えると、函館市内の学校の定員数を減らさなければ公立高校同士で入学者の競合が発生してしまう。函館工業高等専門学校における定員調整も見直してほしい」と指摘した。

 道教委は「定員調整を適正に行う際、中卒者減に見合った調整は公立・私立高校ともに検討していく。函館工業高等専門学校においては生徒にとって進路の選択肢が増える利点がある一方、適正な配置に向けた要望を続けていく」とした。

 魅力化の取組については、地域連携特例校の福島商業高校の太田和浩校長と南茅部高校の伊勢一哉校長が自校の取組を紹介。太田校長は、生徒の全国募集に向けた取組や新しい教育課程、福島町による支援について、伊勢校長はT―baseを活用した学習展開などを説明。「厳しい状況は続くが、これからも地域と一層の連携を図っていきたい」と述べた。

(道・道教委 2022-04-21付)

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