オホーツク管内4年度教育推進の重点 子どもの学び保障など 野上局長 高・特校長に要請(道・道教委 2022-04-28付)
野上局長が重点について説明
【網走発】オホーツク教育局は19日、オホーツク合同庁舎で管内高校・特別支援学校長会議を開いた。野上義秀局長が4年度管内教育推進の重点を説明し「社会の変化に対応する教育の推進」など5重点と、管内教育推進にかかる取組54項目を提示。子どもたちの学びの保障、組織的な道徳教育の推進などを要請した。
概要はつぎのとおり。
【はじめに】
オホーツク管内教育推進の重点については、管内の状況を考慮し、必要な取組を管内一丸となって推進するため策定したものであり、これを共有するため、年度の初めに関係者に示すものであるが、3年度、校長の皆さんには、4月に示した3年度オホーツク管内教育推進の重点および3年度オホーツク管内教育推進の取組に基づき、学校経営の改善・充実はもとより、管内教育の充実・発展に寄与いただいたことに感謝する。
各学校においては、教職員が一丸となって感染症対策と学びの保障の両立に多大な尽力をいただき、心から感謝申し上げる。
【管内教育推進にかかる取組】
2年度までは、道教育推進計画に基づく54項目をオホーツク管内教育推進の重点として示していたが、3年度から、オホーツク管内教育推進にかかる取組として示している。
オホーツク管内教育推進の重点は、3年度から、オホーツク管内教育推進にかかる取組の年度末評価において課題が見られた取組や今後も重点的に取り組む必要がある取組を焦点化し、「重点」として示している。
4年度オホーツク管内教育推進にかかる「取組」および「重点」については、管内教育推進にかかる取組における評価の状況から、54項目の取組を継続することとし、各学校においては引き続き取組を推進していただくとともに、教育局においては、こうした各学校の取組を支援していく。
▼重点1 社会の変化に対応する教育の推進
(1)義務教育における確かな学力の育成
持続可能な社会の創り手の育成に向け、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、適切な教育課程を編成するとともに、各学校が教育課程に基づき、最大限子どもたちの学びを保障できるよう、組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図る
―については、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、臨時休業の措置を講じた学校が多数に上り、また、今後そのような状況が生じることが想定され、学校における感染拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続し、子ども一人ひとりの学びを保障していくことが重要であることから、文言を修正した。このことは、高校および特別支援学校においても同様の取組をお願いする。
授業の冒頭に目標を示し、最後に学習内容を振り返る活動や、自分の考えを発表したりグループで話し合ったりする活動、相手や目的、意図に応じて「書くこと」を取り入れた活動、効果的なICT端末の活用などを通して、主体的・対話的で深い学びを実現できるよう、学校全体で授業改善に取り組む体制を確立する
―については、学習指導要領の趣旨を踏まえ「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の充実を図るため、各教科等の特質に応じた1人1台端末の積極的な活用を推進する必要があることから、文言について「端末」を強調した表現に修正した。
(4)外国語教育の充実
増加する外国人児童生徒への指導の充実を図るため、外国人児童生徒が地域で安心して学ぶことができるよう支援体制を整備するとともに、互いの文化や歴史等に触れる機会を設定するなど、国際理解の充実を図る
―については、管内においても、日本語指導の必要な外国人児童生徒等が増加しており、外国人児童生徒等一人ひとりに対するきめ細かな指導体制を構築するとともに、外国人児童生徒と共に学ぶことを通じて、互いの長所や特徴を認め、異文化を理解するなど、国際理解の充実を図る必要があることから、文言を修正した。
(5)情報教育の充実
全ての児童生徒の可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びを実現するため、児童生徒1人1台端末の効果的な活用や教職員のICT活用指導力の向上等に向けた内容を取り扱う校内研修や遠隔研修の充実を図る
―については、各学校において1人1台端末の活用を進め、ICT活用にかかる事例提供や教職員研修の一層の充実を図る必要があることから、文言を修正した。
▼重点2 豊かな心と人間性を育む教育の推進
(1)道徳教育の充実
道徳教育の充実に向け、要となる道徳科の授業を各教科等および他の教育活動と関連させ、学校教育全体としての道徳教育を推進する
―については、道徳教育を各教科等および他の教育活動と関連させ、全教職員の共通理解のもと、学校教育全体として充実を図る必要があることから、文言を修正した。
(5)いじめ・不登校を解消する取組の充実
道いじめ防止基本方針を踏まえ、児童生徒理解・教育支援シートや子ども理解支援ツール「ほっと」等を活用するなどして、いじめや不登校、児童虐待等の早期発見・早期対応に向けた取組の充実を図るとともに、関係機関と連携し、外部人材を活用した学校いじめ対策組織を中心とした支援体制を確立する
―については、学校いじめ対策組織における実効的な取組の充実に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、弁護士、医師等、外部専門家等、校外の人材の参加が必要であることから、文言を修正した。
▼重点4 学びを支える家庭や地域との連携・協働の推進
(3)地域の教育力を活かした学校づくりの推進
学校と地域が連携して児童生徒の成長を支える地域学校協働活動の充実を図るため、地域学校協働本部を整備し、確かな学力、豊かな心、健やかな体を地域と一体になって育む学校づくりを推進する
―については、望ましい学習習慣の確立や学習保障等の充実に向け、学校・家庭・地域が相互に連携・協働して、地域全体で子どもたちの成長を支えていく環境を一層充実する必要があることから、文言を修正した。
▼重点5 学びをつなぐ学校づくりの実現
(2)学校力の向上
北海道アクション・プランや北海道の部活動の在り方に関する方針を踏まえ、市町村における校務支援システムの導入およびICTの活用などによる業務改善の推進や部活動休養日等の完全実施などによって、学校教育の質を高められる環境を構築し、学校における働き方改革を推進する
―については、学校における働き方改革「北海道アクションプラン(第2期)」の具体的な取組として、校務の効率化および教職員の事務作業にかける時間の削減に向け、ICT活用による業務改善の充実を図る必要があることから、文言を修正した。
(3)学校安全教育の充実
学校安全の3領域(生活安全・交通安全・災害安全)に関する内容を適切に位置づけた危機管理マニュアルを児童生徒や地域等の実態を踏まえ不断に見直すとともに、事件・事故災害を想定した避難訓練等の年間複数回の実施や、通学路の安全確保に関する取組の充実を図る
―については、学校安全の3領域にとどまらず、突発的な危機に対応できるよう、学校独自の危機管理マニュアルの見直し・改善を進めるとともに、危機管理に関する校内研修などの取組を一層充実する必要があることから、文言を修正した。
【管内教育推進の重点】
道教育推進計画は、4年度が最終年度となるが、これまで同様、計画に示された北海道の基本理念および6つの目標の内容との関連を重視するとともに、3年度管内教育推進の重点の年度末評価において課題が見られた取組や今後も重点的に取り組む必要がある取組を焦点化し、重点を5点定めている。
重点2「豊かな心と人間性を育む教育の推進」の1つ目「道徳教育の充実」については、義務教育において主たる教材の教科用図書に加え「私たちの道徳」「きたものがたり」等の活用を項目に入れていたが、新学習指導要領の全面実施後、各学校においては教材を適切に活用した授業改善が進んでいることから「学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の充実」とした。
こうしたことから、高校や特別支援学校においては道徳教育の全体計画のもと、道徳教育推進教師を中心とした組織的な道徳教育推進するようお願いする。
【おわりに】
以上、4年度オホーツク管内教育の推進に当たり、重点的に取り組んでいただきたい内容を申し上げた。
現在、道内における新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は一旦は減ってきたが、管内では現在増加傾向にある。また、感染拡大防止のための臨休措置やリストアップによる個別対応を講ぜざるをえない学校も増加している状況にあり、今後もそのような状況が生じる可能性がある。
こうした状況においても、学校における感染拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続し、子どもたち一人ひとりの学びを保障していくことが重要。
各学校においても、日々生じる事柄について逐次判断し対応していることと存ずるが、今般の新型コロナウイルス感染症の対応のみならず、学校教育は様々な今日的な教育課題に対して時代の潮流を的確に捉え、柔軟かつ創造的に対処することが求められている。
校長の皆さんには、学校組織のトップとして経営手腕を大いに発揮していただくことを期待している。
教育局としても、高校長協会や特別支援学校長会、さらには皆さん一人ひとりとこれまで以上に連携を密にしながら、オホーツク管内教育の質の向上に努めていくので、一層の協力をお願いする。
(道・道教委 2022-04-28付)
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