道議会質疑 文教委員会(3年11月29日)(道議会 2022-05-25付)
Q 質問
Question
A 答弁
Answer
P 指摘
Point out
O 意見
Opinion
D 要望
Demand
【質問者】
▼小泉真志委員(民主・道民連合)
▼赤根広介委員(北海道結志会)
【答弁者】
▼池野敦教育部長
▼鈴木淳学校教育監
▼唐川智幸学校教育局長兼ICT教育推進局長
▼中澤美明学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長
▼柴田亨高校教育課長兼ICT教育推進課長
▼行徳義朗義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長
▼伊藤伸一生徒指導・学校安全課長
=役職等は当時=
全国学力・学習状況調査
Q小泉委員 教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るのであれば、悉皆調査という部分が本当に必要なのか大変疑義を感じる。道教委の所見を伺う。
A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 全国学力・学習状況調査について。道教委としては、各市町村教委や学校が調査の目的等を踏まえ、学習指導要領に基づく学習内容が子どもにどの程度身に付いているか、どの学年の学習でつまずいているかなどを客観的に把握し、調査対象の学年だけではなく学校全ての子どもたちの学力向上に向けた取組につなげていくことが重要であると考えており、国の実施要領に基づいて実施されることが望ましいと考えている。
Q小泉委員 学校現場では、教科書準拠の市販テストが数多く使用されていると聞きている。学習指導要領に基づいた教科書に準拠したテストなので、十分に客観的評価ができるのではないか。所見を伺う。
また、報告書を見ると、1市町村の1学年の児童生徒が8人までのレーダーチャートのデータが掲載されておらず、9人以上は掲載されている。悉皆調査の部分は考えるべきではないか。
A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 全国学力・学習状況調査について。調査は、学習指導要領に基づく学習内容が子どもにどの程度身に付いているのか、どの学年の学習でつまずいているかなどを把握して、調査対象の学年だけではなく、学校全ての子どもたちの学力向上に向けた取組につなげ、学校における継続的な検証改善サイクルを確立することが重要であると考えている。
全ての市町村や学校で全国との比較において分析を行うとともに、教育指導の改善方策を示すことは意義あるものと考えている。
Q小泉委員 学校における評価は本来、子ども、授業者のためにあるものと理解している。子どもたちにとって、過去の自分と今の自分がどのように変容し、何が伸びたのか、伸長したのか、課題は何なのか、課題を改善するためには何をしたらいいのかを把握することだと認識している。
少なくとも中学校3年生は小学校6年生のときに学力テストを行っているから、過去の自分と比較ができるはず。にもかかわらず、全国平均と比較、つまり他者との比較に終始している。このことが本道の子どもたちの自己肯定感について、「自分にはよいところがあると思いますか」いう問いに「ある」と答えた児童生徒の割合は3割程度にとどまるなど、低いと言わざるを得ないと思っている。
過去の自分との比較ではなくて、他人との比較に終始するこの調査について、所見を伺う。
A行徳義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 評価について。全国学力・学習状況調査は、平均正答率などのデータ等を基に児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的としており、学習指導要領の定着状況や学習習慣・生活習慣の状況について全国との比較において客観的に把握し、分析を行うとともに、教育指導の改善方策を示すことは意義あるものと考えている。
道教委としては、各学校において一人ひとりに配布される調査の個人票をはじめ、チャレンジテストやその他のデータ等も活用しながら、子どもたちが確かな学力を身に付け、自らの成長を実感し、自己を肯定的に捉えることができるきめ細かな指導を充実させることが重要と考えている。
Q小泉委員 学習指導要領の定着について、児童生徒たちが学習指導要領の内容をどれだけ定着できたかが大切であって、全国との比較が基準になるべきではないと考えるが、所見を伺う。
また、児童生徒に配布される結果の個人票だが、やはり全国との比較がメーンになっていると思わざるを得ない。所見を伺う。
A行徳義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 評価について。義務教育の機会均等と教育水準の維持向上を図る義務教育の趣旨を踏まえ、学習指導要領に示されている内容が、本道の子どもたちにどの程度身に付いているかを全国との比較において、客観的に把握できることから意義あるものと考えている。
調査は、児童生徒の教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的としており、子どもたちが自らの成長を実感するためには、調査の個人票に加えて、チャレンジテストやその他のデータ等も活用しながら自己を肯定的に捉えることができるきめ細かな指導を充実させることが重要と考えている。
なお、小・中学校間の情報の共有については、保護者の同意を得るなどの配慮をした上で実施することが可能となっている。
P小泉委員 過去の自分と比較することは非常に大事だ。これが本当の評価ではないか。全国学力・学習状況調査については、やめるべき、あるいは抽出にすべきと指摘させていただく。
Q小泉委員 本道の課題解決のためにという部分で、小学校と中学校の連携の強化を掲げている。本道の実施率は全国と比較して高い傾向と報告されているが、一方で「小中連携をよく行った」と回答した学校でも、教科の平均正答率が全国を下回っている状況が見られる。どのようなデータ分析からこのような結論を導き出したのか、所見を伺う。
A行徳義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 小学校と中学校の連携について。小学校と中学校が連携しながら様々な活動を展開することは、学習指導面等において教育効果を高めていく上で重要であると考えており、現在、多くの地域で進められている。
こうした学校のうち、特に、教科の系統性を踏まえた指導計画の作成や指導方法の円滑な接続などに取り組んでいる学校においては、学習習慣の定着をはじめ、学習意欲や学力の向上などの成果が見られており、今後も小中連携の取組をより確かなものにするため、このような成果の普及や教育研修の実施などを通して、市町村や学校の取組を支援していく。
P小泉委員 一定程度、小中の連携強化の必要性は認めるものの、連携のための打ち合わせが休憩時間や勤務時間外からスタートしているという報告を受けている。
連携強化を進めていくのであれば、それ以外の業務を減らすという提案をしなければ、本調査の目的である教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることにはならないと指摘する。
Q小泉委員 ここ数年、本道の大きな教育課題として不規則な生活や朝食を食べないことによって学習意欲や体力、気力の低下が見られるなど、生活習慣に課題、テレビやゲームの時間が長いことによって学習時間が短い状況が見られるなど、学習習慣に課題を挙げている。
子どもの望ましい生活習慣、学習習慣を定着させるために、啓発リーフレットや保護者対象の研修会など地域と家庭に望ましい生活習慣、学習習慣を働きかける取組を継続するとしているが、本気で課題を解決できると考えているか所見を伺う。
A鈴木学校教育監 学習習慣等の確立に向けた取組について。全ての子どもたちが自らの可能性を発揮し、未来社会を切り開いていく力を身に付けていくためには、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善と望ましい生活習慣、学習習慣の確立を両論として、取組を進めることが重要である。
道教委としては、授業改善はもとより、望ましい生活習慣や学習習慣を確立するため、保護者向けのリーフレットの配布をはじめ地域住民や保護者を対象とした研修会を継続して実施しており、結果として授業以外の学習時間が年々増加し、全くしない割合が減少するなどの成果が見られてきている。
今後は、これまでの取組に加えて、市町村と民間企業やNPO団体等との連携により、放課後の学習支援や家庭学習の充実を図るなど、学習習慣の定着に成果を上げている取組を各自治体と共有する機会を設けるなどして、これまで以上に学校、家庭、地域が一体となった学力向上に向けた取組を進めていく。
P小泉委員 朝食を食べたいのに食べることのできない児童生徒に対して、どのような施策を講じていくのかということを本気で検討すべき時期に来ているのではないか。国外では、朝の給食を実施している国もあると承知している。希望する児童生徒に週1回でもいいから朝の給食を実施すれば、その日だけは空腹を我慢せずに授業に集中することができ、朝早くから学校に登校することによって生活リズムが改善されると思っている。給食は市町村の管轄であり、道教委としてこの検討をスタートすべきと指摘させていただく。
主権者教育
Q小泉委員 帯広市内の道立高校新聞局が企画した10月31日投開票の衆議院選挙に関するアンケートで、選挙権がある生徒らに投票先などを聞く質問について、学校側が道教委の学校の政治的中立の確保が重要とする見解を理由に挙げ、見直しを求めていたとの報道があった。
報道では、アンケートは衆議院選後の11月初旬、新聞局員の生徒たちが制作し、全17問で衆院選への関心の有無のほか、実際に投票したか、小選挙区や比例代表の投票先を匿名回答で聞く予定で、アンケート内容が政治に関わるため学校側は道教委に問い合わせたものとして報道があった。一連の経過、事実について伺う。
A柴田高校教育課長兼ICT教育推進課長 当該校新聞局のアンケートの実施に係る経過等について。当該校の部活動の一つである新聞局が実施を予定していた、全校生徒対象の衆議院選挙に関するアンケートについて、校長は、主権者教育の観点から有意義である一方、回答する際に必要な情報が十分ではないなどのことから、実施方法や内容の一部について再検討するよう新聞局顧問に指示した。しかし、新聞局顧問が必要な対応を行わず、新聞局にアンケート実施を認めたものである。
Q小泉委員 削除されたアンケートの項目、内容等について伺う。
A柴田高校教育課長兼ICT教育推進課長 アンケートの内容について。アンケートは17項目で構成されており、そのうちの8項目において今回実施された衆院選の候補者および政党を挙げ、有権者である生徒に対し、誰およびどこの政党に投票したか、有権者以外の生徒に対し誰およびどこの政党に投票するかなどの項目、その回答理由等を問う内容になっているが、顧問の判断によりアンケートでは見え消しの形態としたものである。
Q小泉委員 回答は選択するような形なのか、それとも記名のものなのかについて、詳細について伺う。
A柴田高校教育課長兼ICT教育推進課長 アンケート項目について。選択形式である。
Q小泉委員 例えば候補者名とか政党名とかを選択するのか、番号を書くのか、丸を振るとか、自分は選んでないとか、もう少し詳しく教えていただきたい。
A柴田高校教育課長兼ICT教育推進課長 アンケート項目の選択について。選択肢については、選択形式ということである。なお、候補者名や政党名のほか、その他、答えたくないなどの選択肢があったと承知している。
Q小泉委員 アンケートに関わり、学校の政治的中立が確保されていないという部分の報道があったが、それに関わる理由について伺う。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 アンケートの実施における政治的中立性の確保への配慮について。学校においては、具体的な政治的事象を取り扱う場合には、生徒一人ひとりが多様な見方や考え方を持ったり、生徒の議論が深まったりするような様々な見解を提示することが重要である。
選挙権を有する生徒のほか、選挙権を有していない生徒も対象としていることを踏まえ、アンケートの項目には候補者や政党名に加え、公約や政策等も掲載し、理解を深めた上で回答できるようにするなど、政治的中立性を確保する上では、丁寧な対応が必要であると考えている。
Q小泉委員 学校における政治的中立性については、教育基本法第14条に記載されている。第2項で、法律の定める学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他の政治活動をしてはならないとなっている。今回のアンケートは、これに抵触しているのか伺う。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 アンケートの実施における政治的中立性の確保への配慮について。今回のアンケートについては、選挙権を有する生徒のほか、選挙権を有していない生徒も対象としていることを踏まえ、アンケートの項目には候補者や政党名に加え、公約や政策等も掲載し、理解を深めた上で回答できるようにするなど、政治的中立性を確保する上では丁寧な対応が必要であったと考えている。
Q小泉委員 このアンケートが本当に政治的中立性を侵害していることになるのか。特定の政党を支持するとか、しないとか、そういうことをこのアンケートがしているのかについて、答弁いただきたい。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 今回のアンケートの政治的な中立性の確保への配慮について。アンケートの項目には候補者や政党名に加え、公約や政策等を掲載し、理解を深めた上で回答できるようにするなど、政治的中立性を確保する上では丁寧な対応が必要だったと考えている。
Q小泉委員 質問に答えていただいていない。政治的中立性に、このアンケートが抵触するのかしないのかを聞いている。
配慮するということは十分理解している。けれども、このアンケート自体が抵触しているのかしてないのか、そのことについてもう一度伺う。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 アンケートの政治的中立性の確保について。アンケートの項目には候補者や政党名に加えて、公約や政策等を掲載し、理解を深めた上で回答できるようにするなど、政治的中立性を確保する上で丁寧な対応が必要だったと考えている。
Q小泉委員 全く質問に答えていただいていない。このアンケートが政治的 中立性、特定の政党を支持するかしないか、そういうことをさせているのかさせていないのかを聞いてる。明確に答えていただきたい。
A池野教育部長 現在、このアンケートの内容について、またはアンケートの実施に至る経緯については、詳細に把握し、何が問題であったのかなどをあらためて明らかにしていきたい。ただ、現在申し上げられることは、全校生徒に対し、アンケートを行う際の政治的中立性の配慮について、ことさら今は指導すべきということで、学校に直接指導している。今後お尋ねの件について、どういう判断をするのかというのは今後明らかにしていきたい。
Q小泉委員 道教委が非常に配慮される教育的意義を踏まえて、公約や政策を掲載して理解を深めた上で様々な政党とか候補者を選ぶ形は、本当に教育的意義があると私は思っている。ただ、今回の新聞局アンケートではその環境を整えるのは非常に難しいと思っている。授業ならできると思うが、なかなか難しい部分がある。
もし、教育的意義を考えるのであれば、模擬投票という実施は十分にあるべきだと私は思っている。
一方で、今回のアンケートを実施したことによって、例えば、生徒たちが候補者とか、政党名を選択しておきながら、その理由が未回答だとするのであれば本当にイメージ等で選んでいるのではまずいのではないかと学校新聞で分析して、それを掲載し、主権者教育として生徒に還元していくという部分で非常に意義があると思っている。
今回のアンケートは、そのような狙いがあるのであれば意義があると思っているが、そういう狙いがあるのであれば、今回のアンケートは良いと判断されるのかどうなのか伺う。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 今回のアンケートの実施について。生徒が主体的に、政治的な内容について取り組むことについては道教委としては、非常に有意義なものであると考えている。
Q小泉委員 ということは、名前だけで選ぶようなことは駄目である、公約等で判断して投票すべきというねらいを新聞読者である生徒に分かってもらおうとする今回のアンケートは、十分あり得ることだと確認したい。それでよろしいか。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 今回のアンケートについては、政治的な中立性を確保するという観点から十分な配慮をした上で実施することが望ましいと考えている。この政治的な案件について、生徒が自主的に取り組むことについては道教委としても有意義なものであると考えている。
Q小泉委員 安易な投票をするのではなく、しっかりと公約等を踏まえて選択していくねらいであるアンケートであれば、今回のアンケートはあり得るということで確認をしたい。もう一度答弁願う。
A唐川学校教育局長兼ICT教育推進局長 アンケートの実施について。しっかりと内容を踏まえ、公約、それから政策等について生徒が十分に理解をした上で実施をするということであれば、このアンケートについては有意義なものであると考えている。
Q小泉委員 今回のアンケート調査について、投票の秘密保持について懸念されているが、そのことについて伺う。
A鈴木学校教育監 アンケートの実施に際しての投票の秘密保持の考え方について。一般的に全て選挙における投票の秘密は保障されるべきものであると認識している。こうしたことから、今回のアンケートの実施は実際の選挙には当たらないものの、学年や学級名を記載しないようにすることや、あらかじめアンケートの提出を任意とすることなどの配慮が必要であったと考えている。
Q小泉委員 模擬投票について、総務省が制作した高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」の教師用指導資料に掲載しているQ&Aの中で、実際に選挙が開票され、当選人確定後に当該学校の模擬選挙の結果などを取りまとめ、全有権者との比較を行うことは考えられると記載されている。架空にとらわれることがなく、実名でもオーケーだということを確認したが、所見を伺う。
A鈴木学校教育監 模擬選挙について。国の副教材においては、実際の選挙の時期に実際の選挙を対象として実施する模擬選挙の例が示されており、その際、何を基準に投票すればよいか、グループで考えさせたり、さらには各政党の主張をワークシートで整理したりするなどの事前学習を行うこととしている。
こうしたことから、事前に候補者や政党名に加えて、公約やさらには政策等を提示して生徒が理解を深めた上で投票できるようにするなど、政治的中立性を確保する上では丁寧な対応が必要であると考えている。
D小泉委員 しっかり事前指導を行った上で、記名等々についての投票があり得るという形で確認をさせていただきたい。
皆さん十分に努力されていると思うが、特に若年層の投票率の低さは非常に大きな問題で、主権者教育として非常に大事だという部分を、誰もが認識されている。学校での主権者教育を進めていく上で、やはり先生方が萎縮するような形にならないことが必要だと思う。
当然、法的にしっかりと守るべきところは守ってやっていくことを、ぜひ進めていただきたい。道教委においても、積極的な模擬選挙の実施等を含めて推進していただきたい。
通学路の安全対策
Q赤根委員 通学路の安全確保について、対策必要個所数は1705ヵ所で、7月1日時点で通学路交通安全プログラム等により発見した危険個所数(812ヵ所)より倍以上に増加している。
増加要因としては、9月末までに実施された合同点検により、いわゆるヒヤリハットなど新たな視点も加えた点検結果だと考える。そもそも地域ごとに通学路交通安全プログラムが十分に機能していれば、対策必要個所数は、常時、把握をできている。
対策必要個所数1705ヵ所に対する道教委の受け止めと、危険個所数よりも対策必要個所数が倍以上に増加した要因をどう考えているのか。
A伊藤生徒指導・学校安全課長 合同点検の結果について。このたびの国の通知に基づく合同点検により明らかになった全道1700余りの対策必要個所については、市町村教委が行った7月の緊急調査に加えて、市町村、道路管理者、地元警察署等の関係機関が連携してさらに詳細に点検したことによるものである。
このたびの合同点検では、千葉県八街市で発生した事故を踏まえて、速度が上がりやすい個所やヒヤリハットが起こる個所など、保護者や見守り活動者をはじめ地域住民の声も踏まえ、対策が必要とされたものであり、今後の安全確保に資するものとなることから、各市町村教委が作成している通学路交通安全プログラムに基づく点検を日ごろから確実に行うことが重要と考えている。
Q赤根委員 対策済みの個所はどのような状況で、どのような対策を講じられたのか。また、対策済みの確認はどのように行っているのか、併せて伺う。
A伊藤生徒指導・学校安全課長 対策済み個所の状況等について。既に対策を講じた個所については、校区内の通学路マップをあらためて見直し、危険個所を確認し、児童が自ら危険を予測して、回避する行動について指導する交通安全教育の実施、保護者やスクールガードなど、地域ボランティアを含め、地域全体で登下校時の通学路の見守り活動の実施、時間帯による交通量の変化等による危険個所を回避するための通学路の変更などとなっている。
また、各対策については、学校、市町村教委と関係機関がその実施状況をあらためて確認している。
P赤根委員 学校、教育委員会の対策としては、ハードではなく、主にソフトの部分の対策なのだろう。その割に、実に560ヵ所以上が未実施であることは、今回、八街市で起きた悲惨な事案を踏まえれば、危機意識が足りないと言わざるを得ないと指摘する。
Q赤根委員 過去にも危険個所の指摘がありつつも、継続的に関係機関で認識されていない課題が見られるところはどの程度存在するのか伺う。また、公表の対応状況がどのようになっているのか、併せて伺う。
A伊藤生徒指導・学校安全課長 対策必要個所等の公表などについて。過去に危険個所の指摘がありつつも、継続的に関係機関で認識されていない課題が見られる個所数は把握していないものの、本点検結果における対応が必要な個所として含まれている。
また、各市町村における対策必要個所などの通学路の状況を掲載した通学路交通安全プログラムについては、道内全ての市町村で作成されているが、公表状況については、179市町村のうち166市町村がホームページに掲載している。道教委としては、全ての市町村において速やかに公表するよう働きかけている。
D赤根委員 まだ、13の市町村が公表されていないということ。早期に公表体制を取られるように取り組んでいただきたい。
Q赤根委員 3年11月24日にいわゆる連絡会議が開催された。協議内容や結果がどのようなものであったのか伺う。
A伊藤生徒指導・学校安全課長 道教委と関係機関による連絡会議について。先般11月24日に開催した連絡会議では、道開発局や道建設部、道警などの関係機関が一堂に会し、10月末時点の合同点検結果を共有し、対策必要個所への各部局等での対応について協議するとともに、道教委からは市町村による通学路交通安全プログラムに基づいたこれから道路状況が変化する冬季の対策や、道教委と関係機関が連携して継続的な対策状況を把握することなど、通学路の安全確保に向けた今後の取組について提案するなどして各関係機関と確認した。
なお、連絡会議については、4年度以降も開催することとしており、継続的な対策状況の把握と市町村教委への必要な指導助言などについて関係機関と共有した。
Q赤根委員 道教委の対応では、計画的な対策について、対策状況の把握と市町村教委への必要な指導助言などとしている。計画的な対策をどのように推進をされるのか伺う。
また、継続的な対策状況の把握はどのように図り、実効性のある対策を推進されるのか、所見を伺う。
A鈴木学校教育監 計画的な対策などについて。このたびの合同点検によって明らかになった全道1700余りの対策必要個所については、連絡会議において取組状況を定期的に共有するとともに、通学路交通安全プログラムに基づく確実な対策を講じていくことが重要である。
道教委としては、合同点検の結果を踏まえ、通学路交通安全プログラムに基づいて道警察と連携した交通安全教育や地域住民の協力による通学路の見守り活動等の先進事例を普及するなど、早急に対策を講ずるよう市町村に働きかけるほか、現段階で学校、教育委員会による対策必要個所1400余りのうち、対策が行われていない560余りの個所については、可能な限り本年度中に対策が講じられるよう、継続的に進捗状況を把握しながら必要な指導助言を行うなど、通学路の安全確保に向けて各市町村の実情に応じた支援に取り組んでいく。
P赤根委員 言うまでもなく、間もなく本道は冬季に入る。また、冬期間特有の危険性というものも増してくることも考えれば、できれば、年内にしっかりと可能な限り対策をするようにあらためて強く各現場に求めていただきたい。
先般、閣議決定された国の3年度補正予算では、通学路の交通安全対策に約506億円の予算が計上されている。こうしたハード対策にまだ時間を要するのであれば、ソフトの部分の見守り体制などを特に冬期間を中心に取り組んでいただくことを指摘する。
その上で、いわゆる対策状況の見える化、そして、常に新たな対策必要個所の点検を行っていくことを地域の交通安全プログラムを通じて、不断に行っていくことをあらためて徹底していただきたい。進ちょく状況が共有される仕組みの構築を確実に行っていただきたい。
(道議会 2022-05-25付)
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