SSH科学技術人材育成重点枠に指定 海外生徒と課題研究 札幌啓成高 年度末にはフェア
(学校 2022-06-10付)

 札幌啓成高校(近藤浩文校長)は本年度、文部科学省・スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の科学技術人材育成重点枠の指定を受け、国際的リーダーの育成に向けた取組を開始する。18日に外部指導者による講義や海外の生徒との共同課題研究を行う国際共同研究アカデミーを開始。また、インドとオーストラリアの教員との連携による指導法の開発にも取り組む。年度末には北海道インターナショナルサイエンスフェアを開催し、1年間の成果を発表する予定。

 同校は2年度から6年度までの5年間、第3期のSSH指定を受けている。本年度はさらに科学技術人材育成重点枠の指定を受けた取組を3ヵ年で推進する。

 柱となる事業は①国際共同研究アカデミーの企画・運営②国際共同研究を行うための指導法と評価法の開発③海外研修(オーストラリア)の実施④北海道インターナショナルサイエンスフェアの実施―の4点。

 国際共同研究アカデミーは、同校1年生および道内他校の1年生から参加希望を募り、2年間にわたって行われるプログラム。外部指導者の講義や道内大学留学生ティーチング・アシスタント(TA)から学ぶことで研究するための知識や技能を習得するとともに、研究課題にアプローチする力や研究をデザインする力の向上を図る。

 参加生徒はオンラインを活用し、インドの連携校の生徒と共同研究のグループをつくり共同課題研究を実施する。国際共同研究アカデミーについては、道内SSH校および全ての公立高校に案内を送付。18日に1回目の講義を行う。

 国際共同研究を行うための指導法と評価法の開発については、同校教員がインドとオーストラリアの連携校の教員と協力し、生徒が国際共同研究を行う際に必要な「意見交換や議論を行う姿勢や態度」に関する評価基準案を作成する。次いで、同校のSSH事業助言者になる大学の教員や研究者からの意見や助言を踏まえ、改善を行いながら精度を高める。

 作成した指導法、評価法について、オーストラリア研修での課題研究発表会や北海道インターナショナルサイエンスフェアでの共同課題研究合評会で活用する。

 海外研修では、国際共同研究アカデミーの参加生徒のほか、海洋プラスチックに関する共同研究プロジェクトに参加している同校2年生の中から選抜し、現地連携校において英語で合同発表会を行う。

 また、オーストラリアの海岸でのマイクロプラスチック調査や、現地の連携校の生徒と合同チームを編成し、与えられた探究的なテーマでものづくりを行い、チーム間で競い合う科学交流を行う。

 オーストラリア特有の自然史や歴史的背景を踏まえ、科学を活用した社会課題解決について学ぶ。

 北海道インターナショナルサイエンスフェアは、5年3月上旬に開催する。1年間の成果を報告・発表する催しで、生徒が主体となり企画・運営を行い、全て英語で進行する。参加者はSSH校や国際バカロレア認定校(IB校)を中心とする道内および東北の高校生とインド、オーストラリアの連携校の生徒、北大留学生TA、大学教員、外国人研究者。

 国際共同研究アカデミー参加者による課題研究発表、オーストラリア研修参加者による成果発表と科学環境フォーラム、SSH校・IB校の生徒による課題研究発表を計画。全て英語で進行する。このほか、日本とインド、オーストラリアが合同チームをつくり、協働によって課題解決に挑戦する探究的な科学交流、研究者によるミニレクチャーなどを行う。

(学校 2022-06-10付)

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