渡島局 生徒指導研究協議会 大切に思う気持ち伝えて 函館中央病院の石倉氏ら講演(道・道教委 2022-06-23付)
オンラインで実施した
【函館発】渡島教育局は17日、オンラインで生徒指導研究協議会を開いた。管内学校の教職員および市町教委職員ら約70人が参加。講演では、函館厚生院函館中央病院小児科長(こども子育て支援室長)の石倉亜矢子氏が「不登校児童生徒について病院で会う子から考える~一人ひとりの個性と多様性を大切に」をテーマに、医療現場の取組を切り口に、子ども一人ひとりと真摯に向き合い、自尊心を高める取組の必要性を訴えた。
協議会は児童生徒の豊かな成長・発達の促進に向け、生徒指導上の諸課題に関する研究協議を行うもの。学校や家庭、地域と連携し、生徒指導の充実を図るとともに教員の指導力向上を図ることを狙いとしている。
全体会では2人の講師が①不登校児童生徒の理解と組織的な対応の在り方②生徒指導に係る取組の充実について―の2テーマを講演。
うち①は石倉氏が講師を務めた。
石倉氏は参加者に小・中学校時代を振り返るよう促し、学級を困らせる児童生徒や不登校だったクラスメートの存在、印象に残っている教師について質問。回答を踏まえ「自身の子ども時代と絡み合わせながら不登校などの生徒指導を考えると、解決の糸口につながるかもしれない」と助言した。
医療現場で対応する不登校児童生徒の対応について、長期欠席によって肥満となり、教育入院に取り組むケースを紹介。食事や運動など、規則正しい生活習慣の確立に向け、支援していることを伝えた。慢性疾患や家庭環境などの社会的背景によって不登校につながるため、背景因子を探っていくよう促した。
発達障がいの中には「知的障がいも隠れている可能性がある」と解説。学習障がいのうち、読み書き障がいでは「語彙や知識の不足によって、学習不振や不登校といった2次障がいに陥ってしまう」と説明。子どもが無気力である要因を分析するよう訴えた。
「ADHDの約3割は読み書き障がいが併存している」とした上で「大人に怒られることによって、学校不適応につながる。やる気の問題ではないため、対象の児童に寄り添う必要がある」と訴えた。
精神障がいのうち、自傷行為について「自殺とは異なり、自傷することのつらさがある」と説明した上で、自傷行為が心理的苦痛を和らげることにつながり、かすり傷程度の自傷行為が自殺にエスカレートする危険性を指摘。症状が当てはまる場合は精神科や小児科に相談するよう勧めた。
このほか、虐待やネグレクトの事案に関する事例を紹介。医療現場の取組をもとに、「子ども一人ひとりと向き合い、コミュニケーションを図ることで、“大切に思っている大人がいる”ことを伝えてほしい。子どもの自尊心を高めてあげて」と呼びかけた。
②は函館少年鑑別支所法務少年支援センターはこだて支所長東山哲也氏が解説。
部会では、予防的生徒指導・教育相談等の組織的な対応、自校の実態に応じた具体策について活発に意見を交換した。
(道・道教委 2022-06-23付)
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