道教委 オンラインアート教室 美術作品を全道の子に 7月から近美など5館で(道・道教委 2022-06-24付)
道教委は、道立美術館と学校の教室をオンラインでつなぎ、所蔵作品の解説などを行う「オンラインアート教室」を開始する。前年度まで実施していた「出張アート教室」に代わり、遠隔地など美術作品を鑑賞する機会の少ない地域の子どもたちへの鑑賞機会拡充や、美術作品への理解促進を図る。7月から開始する予定。
道教委はこれまで、美術作品に触れる機会の少ない地域における鑑賞機会の拡充や、子どもたちの美術作品への理解促進を図るため、学芸員が作品を持参し、児童生徒に実物を見せながら、鑑賞のポイントを分かりやすく伝える「出張アート教室」を開催。好評を博してきた。
しかし、近年は移動に関する予算が高騰。新型コロナウイルス感染症によって対面での実施が困難さを増す中で、新たな形を検討。GIGAスクール構想によって学校の通信設備が整ったことから、オンラインによる事業への移行を図った。
ただし、指定管理者制の釧路芸術館は出張アート教室を継続。オンラインアート教室は、近代美術館、三岸好太郎美術館、函館美術館、旭川美術館、帯広美術館が実施する。
対象は、道内の公立学校(小・中・高校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校)。
地域の美術館として学校の活用を促すため、原則として近代美術館と三岸好太郎美術館は石狩、空知、後志、胆振、日高管内、旭川美術館は上川、留萌、宗谷、オホーツク管内、函館美術館は渡島、檜山管内、帯広美術館は十勝、日高、オホーツク管内、釧路芸術館は釧路、根室、オホーツク管内を所管する。
ズームによるオンライン講義の形で原則1講義45分程度。各美術館がそれぞれにテーマを設定。学校がテーマを選定し、日程を調整して実施。各館の学芸員が作品の魅力や特徴、背景などを分かりやすく伝える。
テーマは「エコール・ド・パリの作家たち」「シャガールの芸術」など、所蔵作品をもとに設定しており、開会中の展覧会を紹介するものも。
また、動物の体毛に視点を当てた「動物のもふもふ」や、道立美術館所蔵作品64点をカードにしたアートカードを事前に貸し出し、手元のカードを見ながら説明を聞くことができる「アートカードを使ってみよう!」など、工夫を凝らした企画が多数。
授業での活用を想定したリアルタイムのライブ配信のため、子どもたちからの質問に答えながら行う双方向型の講義を多数用意している。
5月中旬から今月上旬にかけ学校からの希望を受け付けており、初年度となる本年度の募集は終了。今後、取りまとめを行った上で、7月から実施する予定。
道教委では「芸術文化によって、子どもたちの豊かな創造性や情操を育む機会として活用してほしい」と話している。
(道・道教委 2022-06-24付)
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