道教委 ふるさと教育等実践交流会 他者目線で提案力育成 東京成徳大特任教授が講演
(道・道教委 2022-07-08付)

道教委ふるさと教育交流会
実践校・協力校の教諭ら90人が参加した

 道教委は6日、札幌市内の道第2水産ビルを主会場に、第1回北海道ふるさと教育・観光教育等実践事例交流会をオンラインで開催した。東京成徳大学特任教授で玉川大学名誉教授の寺本潔氏が「ふるさと教育・観光教育の実践に向けて」と題して講演。人口減少が進む本道の活性化には交流人口の増加が不可欠とし、「アイヌ文化や北方領土など、多くの人に関心を持ってもらう必要があり、プレゼンテーション能力のある子を育てることが大切」と説明。地域への参画力、提案力、コミュニケーション能力の育成に向けて、他者目線を取り入れた教育の必要性を訴えた。

 北海道ふるさと教育・観光教育等推進事業は、道徳科、総合的な学習の時間、特別活動などでアイヌの人たちの歴史・文化や北方領土の学習を取り上げたり、本道の自然や文化、観光産業等の教育資源を活用したりすることで、ふるさと教育・観光教育の充実を図るもの。本年度は、実践校および協力校合わせて74校が取り組んでいる。

 第1回交流会には、実践校・協力校の教諭、各教育局義務教育指導班指導主事、道立教育研究所研究研修主事ら約90人が参加した。

 義務教育課の平山道大主査や道立教育研究所の米谷広美主任研究研修主事によるオリエンテーションに続いて、寺本氏が「ふるさと教育・観光教育の実践に向けて」と題して講演した。

 寺本氏は、本道の人口統計に言及し「札幌圏以外の地域では人口減少が進むと推計されており、産業競争力が低下してしまう」と警鐘を鳴らした。こうした状況に対応するため、交流人口の増加によって経済を活性化させる必要性を強調。「アイヌ文化や北方領土など、多くの人に関心を持ってもらう必要があり、プレゼンテーション能力のある子を育てることが大切。20年後の本道を支える人材の育成に力を貸してほしい」と呼びかけた。

 本道における観光分野の話題として「リゾート振興による経済活性化」「食・歴史・文化」「MICE人材・観光安全の確保」「ボールパークや北海道新幹線札幌延伸」などを例示した。社会科や道徳科、総合的な学習の時間、外国語科などで、ふるさと・観光学習を取り入れることによって①参画力②提案力③コミュニケーション能力―の育成に期待。各市町村教委が作成する社会科副読本に他者目線を取り入れる改訂などを提案しながら「その土地にしかない価値発見に役立つ」「他者目線で北海道の資源を見直す機会になる」「ゲストティーチャーを招くことで地域磨きの教育が実現できる」などと説明した。

 このあと「北海道に対する愛着や誇りを育む指導計画の工夫改善」について管内別で協議した。

(道・道教委 2022-07-08付)

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