第２期教育振興基本計画検討会議　教員研修の時間確保を　札幌市教委　今後の方針協議

（札幌市 2022-07-13付）

現状の課題・成果を把握し、意見を交わした

　札幌市教委は１１日、市内のＳＴＶ北２条ビルで、仮称・第２期札幌市教育振興基本計画の策定に向けた４年度検討会議の初会合を開いた。現行の市教育振興基本計画の成果・課題を確認した上で、今後取り組んでいくべき事項について委員４人が意見を述べた。道教育大学札幌校の戸田まり教授は「教員が研修の時間を確保する具体的な方策を」と要望した。

　計画は、市立幼・小・中・高、特別支援学校の学校教育および幼児から高齢者までの生涯学習における今後１０年間の施策を総合的に示すもの。現行は平成２６年度に策定。３０年度には改訂版をまとめた。

　５年度の計画期間終了に伴い、市教委は本年度から仮称・第２期基本計画の策定に向けた検討会議を設置。

　北翔大学の瀧澤聡教授、道教育大札幌校の戸田教授、札幌大谷大学の和田佳子教授、札幌市ＰＴＡ協議会の壽原智子副会長の４人が委員を務める。

　１１日の初会合では、現行の計画における成果・課題を確認した上で、新たな計画に盛り込むべき事項等について協議した。

　檜田英樹教育長は「前回の計画策定から、教育環境は大きく変化している。一方、いじめ・不登校などは継続的な課題として、より複雑化している」と強調。その上で「新しい計画が、子どもの学びをより充実させるものになってほしい」と期待を寄せた。

　つぎに、市教委総務課の手塚優希教育政策担当係長が、２９年度から令和３年度までに実施した学校教育・生涯学習における取組と、成果・課題を説明した。

　学校教育での課題では「自己肯定感が全国と比較すると低い傾向にある」「情報教育における学校間・学級間の差を解消し、ＩＣＴを活用した学びの推進」などが挙がった。

　戸田委員は「教員の指導力向上については、多忙感を解消し、研修の時間を確保する方策を検討してほしい」と求めた。

　瀧澤委員は「自己肯定感は個々人の捉え方で決まる部分が大きい。子どもが持つ自己肯定感を教員が把握するための定義は必要だと感じる」などと述べた。

(札幌市 2022-07-13付)