いじめへの認識高めて　札幌市学校教護協会が研修会　明治大・諸富教授講演

（札幌市 2022-07-13付）

グループワークも活発に行われた

　札幌市学校教護協会（須藤勝也理事長）は６月３０日、ホテルライフォート札幌で４年度第１回理事幹事研修会を開いた。心理学者でカウンセラーの諸富祥彦明治大学文学部教授が講演。１３４人が参加し、いじめ問題などにおける対応について理解を深めた。

　生徒指導に係る研修を深め、質的向上を図るとともに、日常の生徒指導に役立てることを目的に毎年実施しているもの。

　この日は、諸富教授が「いい教師の条件～悩める講師は、良い教師」と題して、いじめ問題における生徒指導を中心に講演した。

　はじめに「いい教師」の条件の一つとして、短時間で誰とでもリレーションをつくれることを挙げた。「子どもの話に十分に耳を傾けてその気持ちに寄り添い、関係づくりができる教師にはＳＯＳを出しやすい」と説明した。

　続いて、自殺行動を起こしやすい心理状態を測るために、月に１回記名式で行うアンケート「ＳＯＳシート」を紹介。「学校に行きたくないと思うことがあるか」「眠れない日があるか」などの項目と一緒に、「死ぬのは怖くないか」と尋ねることを提案した。「“はい”と回答した児童生徒はリスクが高い。特に注意して」と呼びかけた。

　また、児童生徒がＳＮＳ上などで自殺をほのめかす内容を投稿した場合の対応について「よくあることだと流してしまわずに“大騒ぎすること”が教師の役割」と強調。いじめに対する認識力を高めるよう訴えた。

(札幌市 2022-07-13付)