道小 校長退職者動向等アンケート(関係団体 2022-07-20付)
考察概要
道小学校長会(紺野高裕会長)がまとめた4年度校長退職者の動向等に関するアンケート調査結果(15日付1面既報)の考察概要はつぎのとおり。
役付再任用制度が導入されてから、本調査で5回目の調査となった。今回、役付再任用で勤務している人の割合が6・7%と年々増加傾向にはあるが、希望が叶うよう任用枠を拡充してほしいという意見は一層強くなってきている。このことが理由に反映されており、「管内に制度がない」「赴任地の不満」「給与面の不安」など、そのほとんどが制度的な問題としての訴えに表れている。希望しないその他の理由として「責任が重い」「精神的な負担」など職責の重さと体力面や精神面の不安に言及する声もある。役付再任用を希望する一方で、校長としての職務の重さに見合った給与制度等の確立を望む声の多さにつながっていると考える。
また「後進に道を譲る」との声もあり、統廃合による学校数減少を踏まえ、教頭の校長採用枠確保を重視していることも伺える。さらに「生活の安定」「趣味やレジャーの満喫」といった退職後のライフステージを意識した回答も多かった。
勤務の現状は、再任用(29・9%)と再就職(53・8%)合わせて約8割に達している。退職後の生活の厳しさを訴える声も多く、再任用や再就職する傾向は今後も変わらないと考える。また「退職しても子どもと接することができる」など、これまでの経験を生かせるという声がある一方で「現職同様の仕事量となるフルタイム勤務に負担を感じる」「大規模校勤務に負担を感じる」「学級担任として学級をもつ自信がない」「ICT等を指導できるのか不安」「子どものためになっているのか」との声も上がっており、管理職としての実績と経験を十分に生かしきれていない再任用制度の現状に対する悩みや困難、問題点の指摘が伝わってくる回答もみられる。「現場の負担とならないような職務内容の制度化」「退職者が意欲をもって働くことができる待遇改善」「教員不足解消に向け、退職者を有効活用する制度の確立」を望む声につながっていると考える。
再就職では、教育委員会関係と社会教育関連施設、幼稚園・保育園等異校種の仕事が合わせて9割を超えている。これまで教育に携わっていた経験を生かしたいという希望が多く、何らかの形で教育に携わる職業に就く傾向は今後も続くと想定される。
給与については「年金受給までの生活収入を得ること」も再任用・再就職する理由となっているが、給付の支給額が満足できる水準ではないとの声が多い。このことが、減少してはいるものの退職後の満足度の「不満」と感じる割合につながっていると推察される。一方で、退職後の満足度について「満足・普通」と感じる割合が9割を超え、特に「満足」の割合が増加している。本調査結果等から、再任用・再就職の勤務にかかわる内容面や給与面等の厳しさが、事前に伝わっているためとも考えられる。
退職時の不安解消のために「再就職に関する情報提供」「年金支給までの健康保険制度の充実」「定年延長制度確立」などが重要という回答が多く、引き続き「役付再任用制度」「定年延長制度」などの動向、教職員定数における「基礎定数」と「加配定数」の配分、小学校高学年の専科制など、今後の社会情勢と照らし合わせながら、調査結果の推移を見ていく必要がある。
(関係団体 2022-07-20付)
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