道町村教委連 第57回研修会 分かり合い歩み寄って 道教委の青山委員が講話(関係団体 2022-07-21付)
世代別のコミュニケーションの取り方を紹介した
道町村教育委員会連合会の第57回道市町村教育委員会研修会(15日、札幌市教育文化会館)では、道教委の青山夕香委員が「世代別コミュニケーションの取り方」と題し講話した。自身が研究を続けてきた世代別の特徴と当時の世相、学校教育を紹介し「生まれが5年違えば価値観はまるで違う。分かり合って、歩み寄らなければいけない」などと訴えた。講話概要はつぎのとおり。
2000年~10年ころ生まれた人たちは、デジタルネイティブ世代。スマホは当たり前、テレビもスマホやタブレットで見る。言葉を聞き取るスピードが昭和生まれの3倍速。
検索が得意で、シリ(アイフォンなどに搭載されているAI)を育て会話して検索する。SNSの利用は日常の一部なのでシャットアウトできない。危険性は知っておいてほしい。
1990~2000年ころ生まれたゆとり世代は、とても自信がない。「ゆとりは使えない」とものすごくレッテルを貼られてきたから。
しかし、ゆとり教育は、落ちこぼれをなくそうとTTでサポートし、アクティブ・ラーニングを取り入れた素晴らしい教育だった。
知識詰め込みの教育から総合的な教育へ、競争より共存と教わってきたため、人の意見を聞き、和を保ち共感するコミュニケーション能力を持っている。
物欲が乏しく、半数が車はいらないと思っている。仕事とプライベートを分けているので、仕事が終わればすぐ帰るし、食事に誘っても「無理です」と断る。
今の子は素直なので、行きたくないものは行かない。それを受け入れるのが大人の器ではないだろうか。
1980~90年ころ生まれた人たちは、さとり世代。相手に合わせ、自分のキャラクターを切り替える切れ者が多く、敬語からタメ口まで使い分ける。
逆に空気が読めない人が苦手なので、配慮ある接し方をしてあげてほしい。仕事は良くできるが、当たり前と思わず感謝の言葉をかけてあげてほしい。
1974~80年ころ生まれたポスト団塊ジュニア世代は、ポケベルが流行した世代。晩婚化や少子化に拍車をかけている世代でもある。自分本位で自分が大好き、ブランド大好き、高級車や一軒家に憧れがある。
個性を大切にする教育を受けてきたため、個性豊かな人が多い。右を向けと言ったら左を向く変わった人が多いが、それが個性と思っているので受け止めてあげてほしい。すごい、さすが、頼りになる、などの言葉が好きで、そう言われたら何でもやる。
1970~74年ころは、団塊ジュニア世代。自分の部屋があり、ラジカセがあり、電話に子機が誕生したころ。激しい受験戦争で、2浪3浪は常識だった。親も教師も厳しかったため、和を大切にし空気が読める。
一方、この世代はヤンキー世代でもある。女子は長いスカートをはき、男子はリーゼント、15の夜に盗んだバイクで走り出す世代で、それは厳しい親や教師に抑圧され、勉強さえできればと詰め込み教育を受けてきた結果かもしれない。
この世代は何事も自分で全て抱え込むのでメンタルヘルスは弱い。気遣いがうれしいし、配慮のある態度や感謝の言葉をかけてほしいと思っているが言えない。
1965~70年前後のバブル世代は、女性の社会進出が進んだが、技術家庭科で技術は男子のみ、女子は家庭科と授業も露骨に分かれていたため、男らしさ、女らしさにこだわる古い価値観を残している。
部活動では1年生は奴隷という文化で育ち、上司には俺の酒が飲めないのかと無茶ぶりされてきた。ハラスメントが当たり前の社会で生きてきたので、自分の言動がすぐにハラスメントと言われてしまうことに悩んでいる。
1960~65年ころに生まれた断層の世代は、カラーテレビやレコードプレーヤーが普及し、東京オリンピックが開かれたころ。
石炭から石油へ、つぎからつぎへ文化が花開き、取り入れてきたためとても前向きで、聞く耳を持っている。急激な進化に必死に耐え全て自分で開拓してきた。
1951~60年代前半のポスト団塊世代は、キャンパスライフや合コンを初めて楽しんだ世代。鬼のような団塊の世代と戦ってきたため、頭が良く仕事ができ優秀な分細かいので、報告、連絡、相談はしつこいくらいで丁度いい。やり過ぎで初めて熱意が伝わる。
団塊世代は1946~50年ころ生まれ。戦後の日本を支え、右肩上がりで成長する中、休み=悪と、健康も家族との時間も犠牲にし、男は仕事、女は家事育児という役割分業できた。24時間戦います!というのはこの世代。そんな若い人は一人もいない。
「結婚はまだか」「子どもはまだか」「旦那に尽くしてやっているか」などと聞いてくるが、セクハラだという意識はないので、コミュニケーションの一つとして受け取ってほしい。
教育の方針は、このようにその時々で大きく変わってきた。育ってきた背景が変わると価値観も変わる。学校教育は、価値観をつくる上で大きな役割を持っていると言える。
これだけ幅広い価値観があり、生まれが5年違うと価値観も全く違ってしまうのだから、分かり合って歩み寄らなければいけない。自分の常識や価値観が全てではない。
(関係団体 2022-07-21付)
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