授業マイスターに学ぼう　子が主役の授業づくり　釧路市教委　初任段階教員対象

（市町村 2022-07-28付）

子どもと考える授業を展開する柴田教諭（右）

　【釧路発】釧路市教委は１４日、市授業力向上事業の一環として、公開授業「第１回授業マイスターに学ぼう」を開催した。主な対象者を３～５年目の初任段階教員とし、今後６人の授業マイスターによる授業を参観。そのポイントなどを獲得し、自らの授業力の向上につなげる。

　公開授業は年６回開催する。１回目は１４日、幣舞中学校の柴田敬祥教諭が１年理科の授業を公開。初任段階教員９人が参観し、生徒自ら課題を見つけ、解決していく授業を見ながら自身の授業改善につなげる方向性などを探った。

　単元１「いろいろな生物とその共通点」２章「植物の体の共通点と相違点」の１時間目。柴田教諭は本時の目標を「虫媒花の花のつくりは昆虫による受粉と関係している観点で観察を行い、花のつくりの基本的な特徴や、花のはたらきとの関係について、観察の結果をもとに共通点や相違点を見つけて考察し、表現することができる」とした。

　小学校での既習事項を振り返り、花は種子をつくるためにあることを指摘したうえで、本時の課題「虫媒花の花は昆虫に受粉してもらうために、どのようなつくりになっているのだろうか」を確認した。

　生徒の知りたい気持ちを高めるためのゆさぶりの発問に対して出された様々な疑問をもとに、グループ討議。虫媒花は花粉がめしべに付きやすく、昆虫にも花粉が付きやすいつくりになっているという仮説を立て、２種類の虫媒花を観察。仮説検証のため、解決の方法（道筋）を自分たちで考える姿などが見られた。

　事後研では、授業者から授業のポイントや改善点などが示された。一方的に覚えさせる意味のない知識ではなく、子どもの必要感に沿った「意味のある知識・使える知識」が大切であるとし、授業は子どもが主役であり、誰の学びなのか、誰が学ぶのかを考えた授業が求められると訴えた。

　青葉小学校の石浦瑞記教諭は「子どもにとっての使える知識が、その後の学習にどうつながるかなど、学びの連続性も意識したい」、鳥取西小学校の小平澤涼太教諭は「コミュニケーションを大切にし、つぶやきをたくさん拾うことで、子どもが主役の授業づくりを心がけたい」などと子どもが主体的に学べる授業づくりに意欲を示した。

　公開授業「授業マイスターに学ぼう」の２回目以降はつぎのとおり。

▽２０日＝青陵中・宝輪秀光教諭（数学科）―実施済み

▽８月３１日＝景雲中・新谷将司主幹教諭（数学科）

▽９月１６日＝昭和小・佐藤義人教諭（総合的な学習の時間）

▽１０月２０日＝春採中・大内拓哉教諭（数学科）

▽１２月１６日＝芦野小・谷口敬太教諭（社会科）

(市町村 2022-07-28付)