大空町4年度教育行政執行方針 小中一貫教育導入へ 大空高交流拠点建設完了も
(市町村 2022-08-03付)

大空町関谷正樹
大空町教委・関谷教育長

 【網走発】大空町教委の関谷正樹教育長は4年度教育行政執行方針で、教育環境の向上と持続的な確保を目指し小中一貫教育の導入を検討する考えを明らかにした。3年度に開校した大空高校については、交流拠点施設の建設を4年度中に完了させる方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

 学校のICT教育の推進については、国のGIGAスクール構想に基づき導入した児童生徒1人1台端末の効果的な活用を一層推進するため、ドリル教材等の教育用ソフトを導入するとともに、オンライン授業の本格実施に向け、自宅にインターネット環境がない家庭への支援を行う。また、教職員のICT活用指導力の向上等に向けた校内研修や遠隔研修の充実を図る。

 新型コロナウイルス感染症対策として、昨年、小・中学校の保健室にエアコンを設置した。引き続き、児童生徒への保健衛生環境の向上を図るため、校内エアコン取付整備に向けた実施設計に着手する。

 確かな学力の育成については、全国学力・学習状況調査や標準学力テストの結果を分析し、学力向上に向けた指導方法等の工夫改善を行い、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図る。

 児童生徒一人ひとりの習熟の程度に応じたきめ細かな指導や学びの連続性を確保するため、引き続き習熟度別指導やチーム・ティーチング、小・中学校の連携などに取り組む。

 町の学校教育においても教育環境の向上と持続的な確保を目指した小中一貫教育の導入に向けた資料の収集や研修を行い、導入に向けて検討する。

 国際理解教育の充実については、外国語指導助手2人体制を継続し、児童生徒が生きた英語に触れる機会を確保する。

 特別支援教育については、引き続き教育相談員を配置し、学校および関係機関との連携によって、児童生徒の成長に応じた適切な対応に努めるとともに、補助教諭を配置し、きめ細かな教育指導の充実を図る。

 各学校段階において、児童生徒の発達の段階を踏まえ、キャリア・パスポートを活用するなど、学ぶことと働くことの意義を学習や学校生活等の見通しを立て、振り返りをすることができる学習活動を推進する。

 道徳教育の充実については、より良く生きるための道徳性を養う「考え、議論する道徳」の実現に向け、引き続き授業改善の取組を進める。

 体力・運動能力の向上については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果の分析を踏まえた体育・保健体育の授業の改善に取り組む。また、幼児期からの積極的な運動習慣づくりや学校における縄跳び運動の推奨などによって、体力増進に努める。

 いじめへの対応については、町いじめ防止基本方針に基づき、未然防止の取組を推進するとともに、各関係機関と連携し、いつでも相談できる体制を構築するほか、全校調査を定期的に実施するなど、早期発見・早期対応に向けた取組の充実を図る。

 不登校等については、学校、家庭、教委、その他関係機関が連携しながら、各学校において保健室登校や時間差登校、戸別訪問など、児童生徒や家庭の状況に応じた親身な対応を行う。

 学校と地域の連携・協働の推進については、引き続き地域コーディネーターを配置し、地域の豊かな資源を活用した特色ある学習を推進する。また、ファームスクールや社会見学など、本物の体験学習の提供に努める。

 女満別地区、東藻琴地区に設置したコミュニティ・スクールの充実を図り、地域の教育力を生かした学校づくりを推進する。

 学校間の連携・接続の推進については、校種間で児童生徒が進学する際の引き継ぎや学校間の連携を深めるため、乗入授業、授業公開、研究協議などの取組の充実を図る。

 学校運営の改善については、教職員の時間外勤務縮減に向け、勤務時間の的確な把握や部活動時間の制限などに取り組むほか、学校閉庁日の設定やメール等による保護者への連絡手段の活用などによって働き方改革を推進する。

 また、小・中学校に学習指導員と教員業務支援員を配置し、教職員の負担軽減と学校教育活動の支援を行う。

 新設の大空高校は、生徒の主体性を育む教育を行うとともに、タブレット端末を配置し、AI教材を導入するなど、ICTを駆使した教育を推進している。

 また、基礎学力の向上とキャリア形成のサポートを行うため、公設塾を設置するとともに、寄宿舎にハウスマスターを配置し、生徒が卒業まで安心して生活が送られるようサポート体制を整える。

 大空高の交流拠点施設の建設については、4年度中に工事を完了させ、生徒と地域の方が交流し、共に学ぶことができるよう、地域全体で学校を支援できる仕組みを構築する。

▼社会教育

 昨年においては、新型コロナウイルス感染症によって多くの社会教育事業の中止や縮小が余儀なくされた。

 本年においても収束が見えてこない中、事業の実施運営に当たっては、感染防止対策を徹底し、安全な運営に努めるとともに、ICTを活用した講座の開設など新しい生活スタイルを意識した学びの環境づくりに、創意工夫をもって取り組む。

(市町村 2022-08-03付)

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