アニマドーレバスツアー　生産者の思い肌で感じ　札幌市立高校間連携プログラム

（札幌市 2022-08-10付）

農作業を体験した

　札幌市立高校生を対象に食と農業に関する教育プログラムを展開する市立高校学校間連携プログラム２０２２年度アニマドーレ農作業体験バスツアーが７月上旬、占冠村字上トマムのカリフリ農場で開かれた。札幌市立高校の生徒約５０人が参加。放牧地の見学や農作業体験などを通して、食と農業のつながりや、農業に対する生産者の思いなどを肌で感じた。

　アニマドーレは、北海道の農と食に触れることで「農の新たな伝え手を育成する」「高校生のキャリア探究を行う」ことを目的としたプロジェクト。様々な分野のプロフェッショナルと大学生スタッフが企画・運営している。

　この日は、市立高校の生徒約５０人がカリフリ農場を訪問した。

　はじめに、ブタの放牧地を見学。農場主の江頭謙一郎さんが「ブタは本来大きな石を転がせるほど鼻が強い。味は好みだし、育て方もいろいろとあるが、本農場では、ブタ本来が持つ性質を十分に発揮してもらえる環境で育てている」と説明した。

　引き続き、ウサギ・ニワトリや牧草地で馬搬作業などを見学した。

　午後からの農作業体験では「雑草とり」を体験。生徒たちは、タマネギやニンジン、長ネギ、リーキ、ゴボウなどが植えられているうねの雑草を懸命に抜いた。最初は抵抗があった生徒たちも、慣れると土まみれになりながら素手で作業していた。

　最後に江頭さんは生徒たちに向けて「皆さんもこの先の人生１％でもいいから、農業に関わっていってほしい。食べるということは農業につながっているから、生産者のことを思ってみるとか、たまに畑を訪問してみるとか、少しでもどんなことでもいいので農業のある生活をしてみて」と呼びかけた。

　参加した生徒からは「山から木を切って下ろすに当たり、重機ではなくウマを使うという発想がすごいと思った。重機が通る道を造るなどの環境破壊を防ぎ、エンジン音といった自然の雰囲気を壊す音を出さない環境への配慮があり、人と自然が共生する世界を学んだ」「農業という日々の食生活の中で必要なものを考える中で、農業は畑を耕すだけ、稲を育てるだけだと思っていたが、農場の中で動物や植物双方も育てていて、いろんなことが農業に影響していることが分かり、大変興味深かった。それによって農業について新たな考え方、価値観を身に付けることができた」などの感想が寄せられた。

(札幌市 2022-08-10付)