札幌市内１０代以下の新型コロナ感染　３割　高止まり続く　夏休み明けから上昇傾向に

（札幌市 2022-09-30付）

札幌市における１週間当たりの年代別新規感染者数（クリックすると拡大表示されます）

　新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向にある中、札幌市内の１０代以下の感染者の割合は３割程度と高止まりの状態が続いている。市が公表している年代別新規感染者数をまとめると、夏休み明けから徐々に割合が高くなってきていることが分かった。全国的な傾向と同様に、子ども同士の接触が増えたことで、感染者数の減少の動きが鈍化しているとみられる。

　市内の新規感染者のうち、１０代以下の感染者の割合を１週間ごとにみると、夏休み期間中の８月１５～２１日は２１・４％だった。小・中学校の２学期が始まった週に当たる２２～２８日は２８・５％まで上昇。９月５～１１日には３０％を超えた。直近１９～２５日は２９・１％と若干減少したものの、高止まりの状態が続いている。

　新規感染者数自体は減少しているが、他の世代に比べて動きは鈍い。学校が再開したことで子ども同士の接触が増えて感染が続いているとみられる。

　ワクチンの接種率も、他の世代と比べて低水準にとどまる。市内の１２～１９歳のワクチン接種率は、２８日時点で２回目完了が７０・１％、３回目が３４・６％。５～１１歳は２回完了が１３・７％となっている。国は５～１１歳の接種について、１２歳以上と同様に「努力義務」の適用を６日から開始した。予防接種法の規定だが、接種を受けるかどうかはあくまで本人や保護者が選択できることになっている。

　国立感染症研究所の調査によると、子どもは基礎疾患がない場合も死亡する事例があることも分かってきた。全国でことし１～８月末までにコロナ感染後に亡くなった２０歳未満の子ども４１人を分析。詳細なデータがある２９人のうち１５人は基礎疾患がなかった。ワクチン接種対象となる５歳以上は１５人で、このうち１３人が未接種だった。また、全体の７割が発症から短期間で亡くなっていることから「発症後１週間は特に症状の経過観察が重要」としている。

(札幌市 2022-09-30付)