札幌市　老朽化の共同利用館　後継施設検討に着手　アイヌ文化保存・継承へ

（札幌市 2022-09-30付）

　札幌市は、アイヌ民族の文化保存および継承を担う共同利用館の移転または改築に向けた検討に着手する。今後は、市アイヌ施策推進委員会に後継施設検討部会を設置。５年度以降の後継施設具体化に向けて検討を進める。

　白石区本通２０丁目にある共同利用館は、市民の生活文化の向上と社会福祉の増進を目的に、昭和５３年に開館。現在は、施設の一部を札幌アイヌ協会に貸し付けており、アイヌ伝統文化の保存・継承等の自主活動の場として活用されている。

　老朽化が進行し市は、アイヌ民族の伝統文化継承の観点から、施設の移転または建替が必要と判断した。

　現施設の構造規模は、木造モルタル２階１９９・２６平方㍍。今後は、検討部会を設置し、後継施設の規模やコンセプト、機能、整備後の活用方法などを協議。５年度以降も、具体化に向けた検討を進める。

　委員らは、検討部会設置に当たって「かねてから市内各区に（アイヌ協会の）集会の場を要望してきたスタンスは変わらない」「将来にわたってアイヌ民族の伝統文化を継承する観点からも、教育の場として活用できる内容を」「今日もアイヌ文化が息づいていることを伝える施設になれば」と期待を示した。

(札幌市 2022-09-30付)