森町と町教委　災害時の避難所設置　電力供給モデル事業開始　鷲ノ木小に太陽光パネル等

（学校 2022-10-05付）

通電式には岡嶋町長（右から２人目）、毛利教育長（右から４人目）、西尾校長（中央）らが参加

　【函館発】森町と町教委は発電事業を展開する（株）レーベンクリーンエナジーによる協力のもと、災害時の避難所設置に伴う電力供給のモデル事業を開始する。鷲ノ木小学校のプール解体跡地に太陽光パネルと蓄電池を整備し、災害時における避難所の強化を図る。３日に同校で行われた通電式に出席した毛利繁和教育長は「発電所の設置によってエネルギーが身近にある学校として、子どもたちの防災意識が高まれば」と期待を寄せた。

　町と同社は昨年１０月、災害時の物資供給等に関する協定を締結。今回、災害時における避難所設置に伴う電力供給のモデル事業・オンサイトＰＰＡを開始することとした。

　具体的には鷲ノ木小のプール解体跡地に太陽光発電パネルと蓄電器を整備し発電。平常時は小学校に電力を供給するほか、二酸化炭素の排出量削減に寄与し、年間で３万㌔㍗の発電と１８㌧以上のＣＯ２削減が見込まれる。

　災害時には無償で蓄電池から電力が供給されるため、停電時には給水ポンプを作動させることでトイレの使用が可能となり、通信環境も確保できるなど、避難所施設の災害対応の強靱化が期待できる。

　事業の運用開始に伴い、３日に鷲ノ木小で太陽光パネル設置などの竣工式およびオンサイトＰＰＡ事業の通電式を挙行。町と町教委、同社の関係者１２人が参加した。

　祝詞奏上や玉串奉てんなどの神事を執り行ったあと、岡嶋康輔町長、毛利教育長、西尾聡校長らがあいさつ。

　うち西尾校長は「今後も関係機関との連携を図り、地域の防災力向上に努めていきたい」と意気込みを語った。

　毛利教育長は「エネルギーが身近にある学校は、子どもたちにとても良い教材になると思う。災害時の避難所運営など防災教育を深められるよう、支援に努めていきたい」との考えを示した。

　町は事業の運用開始に伴い、今後各校や公共施設における活用の検討を進めていく方針。

(学校 2022-10-05付)