帯広市教委　４年度全国学力等調査　中学校３教科で全国超　国語は全国より１.２Ｐ上回る

（市町村 2022-11-04付）

４年度帯広市の学力調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　【帯広発】帯広市教委は４年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。小学校は３教科で全国平均を下回ったものの、前年度と比較し差が縮まった。中学校は３教科で全国・全道平均を上回るとともに、国語は全国平均より１・２ポイント上回り、前年度より差を広げた。質問紙調査の結果から、市教委は児童生徒の学習習慣の定着を課題としている。

　本年度の調査は、市内の小学校２５校の６年生９７８人、中学校１３校の３年生８７２人を対象に、国語、算数・数学、理科の３教科で実施。新型コロナウイルス感染症による学級閉鎖のため、小学校３校４学級、中学校４校７学級が後日実施となり、集計から除外している。

　小学校は３教科とも全国平均を下回り、全道平均では理科が０・１ポイント上回った。前年度と比較すると、国語・算数は全国・全道平均との差が縮小。正答数の少ない層は、全国と比較した数値が前年度（理科は平成３０年度）より縮まり、市教委は学力のさらなる底上げを重視している。

　全教科において、記述式の問題に課題が見られた。理科においては「粒子」を柱とする領域、評価の観点「知識・技能」、問題形式「短答式」で全国平均を上回った。

　中学校は３教科とも全国・全道平均を上回った。国語・理科における正答数の少ない層は、全国と比較して少なく、数学は全国との差が縮まった。

　国語は全国平均より１・２ポイント上回り、前年度より差を広げている。学習指導要領の内容「情報の扱い方に関する事項」「書くこと」「記述式」以外の項目で全国平均を上回った。

　数学は全道平均と２・８ポイントの差を付けており、全道平均を５・０ポイント以上下回った学校数はゼロを達成。学習指導要領の領域では「数と式」以外の領域で全国平均を上回った。

　理科は、学習指導要領の領域「地球」を柱とする領域、問題形式「記述式」以外の項目で全国平均を上回った。

　質問紙調査の結果をみると、国語、算数・数学の勉強が好きな児童生徒の割合において、小学校は減少傾向にあるものの、中学校は増加傾向にある。平日１日当たり１時間以上勉強する児童生徒の割合は小・中共に減少傾向が見られ、市教委は児童生徒の学習習慣を課題としている。

　児童生徒に配備された端末を家庭で利用できるようにしている学校の割合は、前年度と比べ大幅に増加し、小・中共に８割超。全国平均と比較し、小学校は１７・１ポイント、中学校は２２・９ポイント上回った。

　市教委は結果を踏まえ、学力向上に向けたポイントに①授業改善と学習習慣の確立②９年間を見通した教育課程③タブレット端末の効果的な活用と個別最適化・協働的な学び―の３点を挙げた。各校における「検証・改善サイクル」の確立を通して、児童生徒の学力向上につなげる。

(市町村 2022-11-04付)