帯広市教委　１校１実践で成果　学校間の学力差縮む　取組重点化へ評価する声

（市町村 2022-11-04付）

　帯広市教委は昨年１１月から、学力向上に向けた「１校１実践」の取組を推進している。本年度の全国学力・学習状況調査の結果から、学校間の学力差が総じて縮まり、取組開始から調査までの約半年間で成果を実感。学校からは現状と課題の把握によって「行うべき取組を重点化しやすい」との声が上がっている。

　「１校１実践」は、市内小・中学校が学力に関する自校の課題や解決に向けた方策をシートにまとめることで現状を把握し、授業改善に役立てるもの。

　前年度の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、市教委は「学校間の学力差が開いたこと」を課題に挙げ、昨年１１月から取組を推進。本年度も市内全校の取組をまとめて各校に共有したほか、主幹教諭対象の研修で話題にするなど、様々な活用を図っている。

　市教委は全国学力・学習状況調査の結果分析で、市内で平均正答率が最も高かった学校と最も低かった学校との差を算出。小学校では国語が前年度より９・６ポイント縮まり、１８・０ポイントの差となった。中学校は前年度と比較し、国語が１・８ポイント、数学が１０・０ポイント縮まり、全教科で２０・０ポイント以内の差となった。

　市教委は「総じて学校間の差が縮まってきている」と成果を実感。各校からは「現状と課題が明確となり、行うべき取組を重点化しやすい」との声が上がっているという。

　特に成果を上げている取組の特徴は①「日常的」かつ「全校的」な取組が行われている②各職員に役割があり、組織的に進められている③短期・中期・長期的な取組や検証が行われている④明確な目標や検証方法が示されている―の４点。

　主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に向け「目標の明確化と学習課題の工夫」「見通しと振り返り活動の工夫」等を重視。市教委は「全教職員で情報を共有し、授業改善に向けた取組を進める必要がある」としている。

(市町村 2022-11-04付)