旭川永嶺高　ＩＣＴ活用の成果　遅刻・欠席等　電話連絡が激減　職員室の出欠黒板で情報共有

（学校 2022-11-10付）

大型モニターを通して生徒の出欠状況の共通理解を図っている

　【旭川発】旭川永嶺高校（清水公久校長）ではＩＣＴ活用によって朝の遅刻・欠席等の電話連絡を激減させた。情報の髙須美津也教諭がグーグルワークスペースで「出欠黒板」を作成。職員室に大型モニターを設置し、全ての教職員による生徒への共通理解にも役立てており、全道で導入が拡大することを期待している。

　以前は授業準備等で早めに出勤していた若い教諭が電話対応に奔走。伝達ミスなどの懸念や朝の打ち合わせ中断によるストレスもあった。

　このような状況を解消するべく、ことし５月にシステムを導入。現在教職員はタブレットやスマートフォン、職員室の大型モニターでいつでも生徒の出欠状況を確認できる。電話に費やしていた時間を授業やホームルームの準備に充てることができている。

　モニターに表示したことによって、校長や教頭、養護教諭、事務職員など全ての教職員が、欠席の多い生徒や特別な配慮を要する生徒への共通理解を深めることにもつながった。

　また保護者にとっても、朝に欠席連絡の電話が殺到するためつながりにくいなどの問題を解消し、時間や場所にとらわれず、いつでも手軽にスマートフォンなどからの連絡が可能となった。

　システムは髙須教諭がグーグルアプリケーションとグーグルワークスペースのプログラミングで構築した。

　①保護者がスマートフォンやタブレットから連絡フォームへ入力②システム管理者がメニュー画面から「更新処理」を行う③教職員が出欠確認を行う④担任・副担任が「出欠黒板」画面へ入力―の手順で利用する。

　②については、グーグルアップススクリプトでプログラムしているため、遅刻する日や学年、クラスなどの項目を切り替えて表示することが可能。画面の切り替え等はメニュー画面から操作できる。

　③では、２次元バーコード等であらかじめ登録された画面から、スプレッドシートのフィルタ機能で自分が担任するクラス等を抽出して確認することができる。

　大型モニターは個人情報保護の観点から、休み時間や放課後にはメニュー画面に切り替えているほか、クロームキャストのスリープタイマーで画面の切り替えを行っている。

　髙須教諭は「グーグルアップススクリプトは学校事情に応じて、グーグルサービスの自動化やクラウド志向による、時間と場所を選ばないシステムを構築できる」と。知識とスキル次第で、利用方法は無限大であるという。

　さらに「サブスクリプションモデルの“出欠システム”等とは違い、基本的に無料であることから、普及も期待できる」と全道での導入拡大を期待している。

(学校 2022-11-10付)