文科省４年度２次補正予算案　バス安全装置を定額補助　地域移行へ人材バンク整備

（国 2022-11-10付）

　文部科学省は、総額１兆４４２６億円を盛り込む４年度第２次補正予算案を公表した。子どもの安全・安心対策支援事業に７８億円を措置し、幼稚園と特別支援学校における送迎用バスの安全装置の整備を定額で補助する。５年度概算要求で盛り込んだ施策を一部前倒して措置しており、部活動の地域移行に向けた人材バンクの整備や研修履歴記録システムの整備など、次年度に向けた経費を措置した。

　学びのＤＸを推進する施策をみると、ＧＩＧＡスクール運営支援センターの機能強化に７１億円を計上。ヘルプデスクやネットワークトラブルへの対応など学校の支援を継続するとともに、国が任命する学校戦略アドバイザーが参画するＧＩＧＡスクール推進協議会（仮称）を設置して自治体間の格差解消や教育水準の向上を図る取組を進める。

　全国学力・学習状況調査のＣＢＴ化に向けた準備として１億円を計上し、問題作成や特別な配慮が必要な児童生徒への対応など６年度の本格導入に備える。

　ＩＣＴ関連ではこのほか、全国各地で１人１台端末の先進的な実践例の創出や全国展開を図るリーディングＤＸスクール事業、デジタル教科書・教材をさらに活用するための通信環境の調査、校務デジタル化の実証研究を計画している。

　研修履歴を活用した研修体制の構築に向けては、全国的な研修履歴記録システムとともに、各教育委員会・大学等が提供する研修コンテンツをまとめたプラットフォームを整備する。また、ＩＣＴ活用、特別支援教育や外国語教育などの喫緊の課題への対応、キャリアステージや校務分掌に対応するための研修コンテンツを開発する支援事業にも着手する。

　運動部・文化部活動の地域移行に向けては１９億円を計上。総括コーディネーターの研修会、都道府県・市区町村の方針策定・体制構築のための協議会、地域移行に関する説明会等の開催経費を補助する。さらに広域的な人材バンクの設置や経済的に困窮する世帯の参加費用を支援するシステムや体制の構築のための経費を措置する。

　子どもの安全・安心対策支援事業には７８億円を計上。５年度から幼児教育施設と特別支援学校等で義務化される送迎用バスの安全装置の整備を定額（義務化対象外となる小・中学校は２分の１程度）で補助する。適切な登園管理を行うための登園管理システムや子どもの見守りタグ（ＧＰＳ）の導入の補助の割合は５分の４となっている。

　学校・幼稚園の感染症対策では感染症流行下で教育活動を継続するための保健衛生用品や消毒、換気用設備の経費などを引き続き支援。このほか、社会教育施設や学校でデジタル講座を実施する国民のデジタルリテラシー向上事業に１３億円を計上した。

　高等教育の施策をみると、新興企業の創出を図る基金の設立や施策推進に１５００億円を計上。４年度をスタートアップ創出元年と位置付けて５年間をかけて国際市場への展開を目指すプログラムを新設する。さらに全国８拠点で企業家教育の機会を、優れた理数系の才能を有する子どもや高校生に提供する。

(国 2022-11-10付)