第28期道産業教育審議会 本道産業教育の在り方は 12月下旬に答申手交予定(道・道教委 2022-11-16付)
道産業教育審議会
第28期道産業教育審議会(会長・岡部善平小樽商大教授)は14日、札幌市内の道第二水産ビルで第3回審議会を開いた。道教委から諮問を受けた「新時代に対応した資質・能力を育成する本道産業教育の在り方について」の答申案を最終審議。課題解決の方策として、外部との連携充実に向けた学校体制の構築や、民間人の活用に向けた就職情報発信、教員の処遇改善、専門教科のオンライン配信、企業や関係機関と連携した施設・設備の共同利用、会計制度の在り方の検討などを掲げた。答申の手交は12月下旬を予定している。
同審議会は、2年12月に道教委から「新時代に対応した資質・能力を育成する本道産業教育の在り方について」の諮問を受け①探究的な学びを通して地域創生に貢献できる人材育成に資する産業教育②地域産業界と高校が一体となって社会に開かれた教育課程を推進する産業教育―の2つの観点から、課題や課題解決の方策を審議してきた。
第3回審議会には委員12人が参加。答申案についての最終審議を行った。
答申案では、探究的な学びと社会に開かれた教育課程を推進する産業教育に向けた課題を①外部連携の充実②専門性を有する教員の確保③教育環境の充実およびデジタル化への対応④柔軟な会計制度―の4点に整理。
課題解決の方策として、①では、担当教員だけではなく学校全体の取組とする校内体制の構築や、卒業生や保護者からの紹介をもとに学校と地域をつなぐコーディネーターの確保、外部の人材が学校へ足を運ぶきっかけとなる学校祭や学習成果発表会などの周知や学校の教育活動の宣伝方法の工夫、専門高校フューチャープロジェクトや道CLASSプロジェクトなど専門高校が企業や関係機関を含め、地域と連携した事業成果の発信・普及を掲げた。
②では、教員免許を取得できる大学への専門高校の魅力の周知や、高いスキルを持つ社会人へのウェブサイトや就職情報誌などを通じた情報発信、社会人を教員として採用できる特別免許状や臨時免許状の積極的な活用や国家資格を取得している教員の処遇改善などを掲げた。
③では、道内のどの地域においても質の高い産業教育を行うことができるよう、遠隔システムやウェブ会議システムなどを活用し、資格取得に係る専門教科の授業をオンラインで配信する仕組みの構築や、「学びの場は学校だけではなく地域社会全体である」との考えに立ち、企業や関係機関と連携した施設・設備の共同利用などが可能となるよう「各種事業や連携協定などを活用して円滑に連携・協働できる体制の構築が重要」とした。
④では、専門高校だからこそ実施可能な実学を重んじた学習活動を一層充実させ、地域や学校の実態に合った教育活動を実践することができるよう、会計制度の在り方について検討を進めるなど、会計予算の面からも専門高校の学習活動の支援に努めていくことが重要」とした。
審議では、より伝わりやすい文言への修正や、学校と道教委が果たす役割の一層の明確化を求める声が上がったほか、学校の教育活動の周知について「今やホームページを検索しても出てこない会社はブラック企業と思われる時代。学校もSNSを使った発信が大変重要。こうしたことは生徒の方が自主的に素晴らしい活動を行っているので、そうした面を伸ばしてほしい」といった意見が出された。
今後は、事務局と審議会役員で文言等の最終調整を行い、12月下旬に倉本博史教育長に答申を手交する予定。
(道・道教委 2022-11-16付)
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