高校づくり指針意見交換会〈日高〉 弾力的な設定求める声 連携特例校の再編留保期間で(道・道教委 2022-11-15付)
オンライン会議に45人が参加した。写真は日高合同庁舎会場
【苫小牧発】道教委は10日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見交換会(日高管内)をオンライン開催した。道教委担当者および管内教育関係者ら45人が参加。意見交換では、地域連携特例校の再編整備留保期間の取り扱いについて弾力的な設定を求める声などが上がった。
道教委は9月に同指針改定版素案を策定。現在、道内各管内で関係者の意見を聴取している。日高管内全7町からは首長、教育長、小・中・高校長・教頭のほか、各校PTA会長、浦河商工会議所の上田正則会頭が参加した。
はじめに行徳義朗日高教育局長があいさつ。同指針改定版の趣旨と策定までの経緯を説明した上で、忌憚のない意見交換が行われるよう期待した。
引き続き、道教委高校教育課の担当者が素案の内容を説明。地学協働の推進、普通科新学科の在り方、高校再編整備留保の考え方などについて解説した。
意見交換では、遠藤桂一平取町長が地域連携特例校となっている平取高校の存続に関して発言。生徒数が基準に満たない場合でも再編整備を留保する期間を設けていることを念頭に、留保期間が弾力的な設定になっているかを質問した。
これに対し道教委高校教育課の田原勇人課長補佐(高校企画・支援)は「期間は明示せず、地域の実情を考えながら設定するべきと考えている」とし、中卒者数、地元進学率、道外からの入学者の状況などを勘案し、地域と相談しながら決めていくことを伝えた。
庄野剛平取町教委教育長は、地域の現状について「中学校で学力が付いた子は苫小牧、札幌に出ていくことが多い」と説明。義務教育での学力向上が町外への進学につながってしまうジレンマがあることを示した。
平取高の鈴木浩校長は、3年度から道高校遠隔授業配信センターのT―baseを本格利用している状況を説明。「画像、音声がクリアで一昔前とは違ってストレスなく授業を受けている」とした。また、保護者が感じている大学進学への不安を払拭すべく学力向上に向けた取組を教員と協力して進めていることを伝えた。
このほか、浦河高校の齊藤雄大校長が自校の実践を紹介。地域とつながる高校づくり、総合学科の特性を生かした魅力ある高校づくりに向けて様々な取組を行っていることを説明した。静内農業高校の佐藤裕二校長は、文部科学省指定のマイスター・ハイスクール事業を地域、企業等と連携して進めていることに触れ、SNSやホームページで情報発信していることを紹介した。
また、浦河町立浦河第二中学校の佐藤恵美校長、新ひだか町立静内第三中学校の小嶋範彦校長、新冠町立新冠中学校の會田大祐校長が中高連携の取組について発言。高校体験入学の実施状況などを報告した。
最後に道教委高校教育課の岡内誠道立学校配置・制度担当課長があいさつ。意見交換の内容を振り返った上で「子どもたちにどうやって良い教育を提供していくかという思いは一緒。いただいた意見を踏まえて来年3月をめどに(指針改定版を)策定させたい」と述べ、引き続きの理解と協力を求めた。
(道・道教委 2022-11-15付)
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