いじめ事案の深刻化防止へ 初動対応の具体化を 34機関・団体 連携を確認
(道・道教委 2022-11-16付)

いじめ問題対策連絡協議会
いじめ問題対策連絡協議会

 道教委は14日、札幌市内の道第二水産ビルで道いじめ問題対策連絡協議会を開催した。市町村教委、学校、PTAなど34機関・団体の関係者が集い、いじめ防止に向けた連携や改定を予定している道いじめ防止基本方針について協議。事案の深刻化を避けるための初動対応の具体化・明確化や、子どもに寄り添った相談機会を確保する体制整備の必要性が指摘された。

 協議会は北海道のいじめの防止等に関する条例に基づき、いじめの防止等に向けて関係機関・団体との連携を図り、いじめ問題に対する道の施策について協議するため年に1度開催するもの。

 集合とオンラインのハイブリッド形式で学校、教育行政、市町村、関係団体の関係者約34人が参加した。

 開会に当たり伊藤伸一学校教育局生徒指導・学校安全担当局長は、新型コロナウイルス感染症の影響で人との距離が広がり不安や悩みを相談できない子どもがいることから「周囲の大人がSOSを受け止めて組織的対応を行い、外部の関係機関と積極的に連携して対応することが必要」と強調した。

 いじめの未然防止・早期発見に向けた道教委の取組を説明したあと、学校、家庭、地域、関係機関が連携した取組について協議。出席者からは、関係機関・団体の定期的な情報共有と役割分担、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる相談機会の確保の必要性が指摘された。

 また「大人たちがいじめをわが事として捉え、社会全体で子どもを見守る体制が必要」「いじめは犯罪であることを子どもに伝えるべき。広い形で大人たちが関わる状況をつくれば緩和されるのではないか」などの意見が上がった。

 続いて道いじめ防止基本方針、道いじめ防止取組プランについて協議。学校の初動対応に遅れが生じる要因としていじめの定義が広いとする声が上がり、学校における対応をより具体的に示すよう提案した。

 子どもの発達障がいが影響する事案もあることから、教員の特別な配慮が必要な児童生徒への対応への理解を広げるべきとの声も。

 「研修等を通していじめ対応の共通認識を道内でつくり上げることができれば重大化する事例は減少するのではないか」と意見した。

 性的マイノリティーに関する相談が増えている実態も報告。カミングアウトによっていじめや冷やかしの対象になりやすいとし「相談を受けやすい同性の先生やスクールカウンセラーが子どもに寄り添った対応ができるよう市町村教委を通し対応を図ってほしい」と述べた。

 最後に伊藤局長は、中心にいる子どもたちを大人たちが支えるために“顔の見える連携”体制の構築を呼びかけ「互いの役割を理解して尊重し合うことが第一歩。各地区の皆さんに情報を伝えて連携を強めてほしい」と協力を求めた。

(道・道教委 2022-11-16付)

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