函館尾札部中　閉校記念式典　７４年の歴史に幕下ろす　統合校での人材育成期待

（学校 2022-11-25付）

尾札部中閉校記念式典

　【函館発】函館市立尾札部中学校（山口哲也校長）は１９日、同校で閉校記念式典を挙行した＝写真＝。関係者ら約１２０人が出席し、７４年の歴史に幕が下りるのを惜しんだ。山口校長は次年度、臼尻中学校との統合によって南茅部中学校として生まれ変わることを示しつつ、両校の歴史と伝統を受け継ぎ、地域の人材育成が図られるよう期待を寄せ、生徒のさらなる活躍を願った。

　同校は、昭和２４年に磨光、木直、古部の３中学校が廃止され、古部分校を古部小学校に併置のもと、尾札部中学校として開校。３４年に町村合併によって、南茅部町立尾札部中学校として改称した。４２年には古部分校を尾札部中に吸収統合。平成１６年の函館市との市町村合併に伴い、函館市立尾札部中学校として改称し、これまで８０００人超の卒業生を輩出した。

　地域に根差した教育を重点に、地域の産業である昆布学習や昨年７月に世界文化遺産に登録された縄文遺跡の学習に力を入れてきた。

　昆布学習は、平成１９年度から地元の産業を広めることを目的に開始。地域企業による協力のもと、３年生が昆布親善大使を務め、修学旅行に見学地で真コンブや加工品等を観光客に配布する活動に取り組むなど、地域の魅力を発信し続けてきた。

　式典には、尾札部中閉校事業実行委員会の佐藤智徳委員長、函館市教委の辻俊行教育長、渡島教育局の柴田亨局長らが出席。

　山口校長は式辞で「統合後も本校の校風と伝統を新しい学校に引き継ぎ、さらに活躍するものと期待している」と呼びかけるとともに、来年度、臼尻中との統合によって南茅部中学校が開校することについて「両校の歴史と伝統を融合し、地域の人材育成の要請に応えていくことと思う」と期待を寄せた。

　生徒会長の田村清愛さん（２年）が山口校長へ校旗を渡し、山口校長から辻教育長へ返納した。

　生徒代表あいさつでは、前期生徒会長を務めた佐藤海真さん（３年）が「昆布親善大使としての学習では、自分の住む地域の素晴らしさに気付き、誇りに感じた。世界遺産登録された縄文学習は、次世代に伝えていきたい」と胸を張った。

　式典終了後、参加者は同校の歴史をビデオ映像で振り返り、別れを惜しんだ。

(学校 2022-11-25付)