帯広三条高、鹿追高の働き方改革 シフト制や分掌再編で成果 コアチーム主体で取組推進
(学校 2022-12-01付)

 【帯広発】公募校長として高校改革を推進する帯広三条高校の合浦英則校長、鹿追高校の俵谷俊彦校長は、学校における様々な業務改善を推進し、成果を上げている。帯広三条高は、シフト制の導入や人事評価シートの活用などによって働き方に対する教職員の意識付けを図っている。鹿追高は、校務分掌の再編や生徒主体の活動などによって働き方改革と並行して学校の魅力化に取り組んでいる。両校長は、取組の継続および一層の充実に向けて力を入れる。

 道立学校の庁内公募は2年度人事から開始し「地域創生に向けた道立高校の魅力化」「ICTを活用した新たな学びの実践」「働き方改革の新たな取組・実施」などに意欲とアイデアを持って取り組む校長を公募。帯広三条高、鹿追高の両校長は2年度から公募校長として高校改革を推進している。

帯広三条高

 同校は働き方改革の推進に向けて、複数担任制による業務量の平準化や打ち合わせ・会議資料の電子化、諸会議の精選や定例職員会議の廃止、シフト制の導入などに取り組んでいる。

 シフト制は教職員によるコアチームが制度設計し、導入を開始した3年度は、午前9時15分~午後5時45分、午前10時15分~午後6時45分の2パターンを設定した。単位制のため選択科目が多く、教育課程が複雑なことから、教職員の希望制で実施。時間外在校等時間の月平均が、シフト制希望者は18・6時間短縮される成果を上げた。

 本年度、早朝から業務に当たる教員や家庭を持つ教員等の事情に合わせ、午前7時30分~午後4時のシフト割を追加。教頭もシフト制を週2回取り入れ、管理職間の業務分担や教職員の協力体制によって、教頭の負担軽減につなげている。

 また、人事評価シートに学校課題として「時間外勤務の縮減を図り、自分の前年平均より10%縮減する」を設定した。各個人で目標を考え、管理職による個人面談の中で具体策を確認。働き方改革に対する教職員の意識付けを図っている。

 合浦校長は「働き方改革は生き方改革。自分の生活を保つ働き方を教職員一人ひとりに考えてほしい」と話した。

鹿追高

 同校は、学校の魅力化と働き方改革を並行して推進。コアチーム「持続可能な鹿高づくり運営委員会」が立案を担い、ICT環境整備やオンライン公設塾の設置、校務分掌再編などを進めてきた。

 分掌は前年度に「広報・ICT課」「探究推進課」「国際交流課」を、本年度から「Special Edサポート課」「部・クラブ改革課」を新設した。担当課を明確にすることで役割分担を考える時間を削減し、校務を細分化して業務量を平準化。さらに各課による取組の深化を図っている。

 地元企業や専門家、町民と共に当事者意識を持ちながら課題解決を目指す「鹿追創生プロジェクト」をきっかけに、生徒たちは外部講師と共に活動を継続し、構想実現につなげている。保護者の承諾のもと、生徒主体で講師と連絡・相談等を行い、教員が介入する時間を削減。メールでの連絡が主で、カーボンコピー(CC)によって担当教員も内容を把握し、必要な指導助言をしている。また、課題提出や質問、部活動連絡も端末を活用。生徒の自走化が教員の働き方改革につながっている。

 俵谷校長は「教職員としてのQOL向上に努めている」とし、現職の教職員や、教員を目指す若者の姿を見据え「子どもたちの探究学習に負けないよう、もっと世界から学び、できることから意欲的に取り組みたい」と話した。

(学校 2022-12-01付)

その他の記事( 学校)

鳴門教育大院・藤村教授招き講演会 学力・授業観転換が必要 帯広栄小 問題発見力等育成を

鳴門教育大院藤村教授講演会  【帯広発】帯広市立栄小学校(塩田直之校長)は11月22日、同校で鳴門教育大学大学院の藤村裕一教授による講演会を開いた=写真=。市内各校の教職員約30人が参加。GIGAスクール構想の理念を再...

(2022-12-06)  全て読む

進路決定に役立てて 岩農高 林業就業セミナーに参加

空知総振林業就業セミナー  【岩見沢発】岩見沢農業高校(鎌田一宏校長)森林科学科2年生は1日、岩見沢市文化センターまなみーるで開催された空知管内林業就業セミナーに参加した=写真=。36人が出席。講話と林業事業体の個別...

(2022-12-06)  全て読む

第38回寒地技術シンポジウム インフラ整備の意義は 雪対策など題材に5校発表

 北海道開発技術センター(倉内公嘉理事長)は11月30日から3日間、札幌市教育文化会館で第38回寒地技術シンポジウムを開催した。2日目には、ほっかいどう学に関する特別セッションを開催。道内小...

(2022-12-05)  全て読む

札幌学院大 HTBと連携協定 SDGs活性化、情報発信など 次世代人材育成で貢献

札学大とHTB連携協定  札幌学院大学(河西邦人学長)は11月29日、北海道テレビ放送(株)(HTB、寺内達郎社長)と包括的連携協定を締結した。学生を中心としたSDGsに係る諸活動の活性化や、情報発信・共同イベント...

(2022-12-02)  全て読む

函館北日吉小 高学年算数専科指導 小中の連携強化で成果 元中学教諭の視点で指導・分析

北日吉小算数専科指導の取組①  【函館発】本年度、小学校高学年を対象とした教科担任制が本格導入され、函館市内の学校でも取組が進んでいる。函館市立北日吉小学校(髙田智史校長)では、元中学校数学科教員が高学年算数の専科教員と...

(2022-12-02)  全て読む

福島商高と渡島局 地域連携公開研 次年度生徒全国募集へ 講演や先進事例報告、協議など

福島商高地域連携研修公開研  【函館発】次年度から生徒の全国募集を開始する福島商業高校(太田和浩校長)と渡島教育局は22日、同校で地域連携研修公開研究会を開いた。十勝うらほろ樂舎の近江正隆代表理事による講演や鹿追高校(...

(2022-11-30)  全て読む

松前中で部活動在り方検討地域研修会 持続的に関わる仕組みを NPOおにスポ代表が講義

 【函館発】松前中学校(蛯子友正校長)学校運営協議会(CS)は24日、道教委の部活動の在り方検討協力地域推進事業に係る研修会を実施した。町内の教職員やCS委員ら約20人が参加。部活動の在り方...

(2022-11-30)  全て読む

全日制110周年、定時制100周年 校訓継承し世界に貢献 釧路湖陵高が記念式典

釧路湖陵高式典  【釧路発】釧路湖陵高校(塙浩伸校長)は9月下旬、コーチャンフォー釧路文化ホールで全日制110周年・定時制100周年記念式典を挙行した=写真=。在校生や同窓生ら約800人が出席し、同校の節目...

(2022-11-29)  全て読む

夕張高生が4商品開発 地学協働で地域を元気に! 地元食材使用 鈴木知事も笑顔

夕張高開発商品発表会②  夕張高校(濱村隆康校長)は25日、道庁本庁舎で北海道CLASSプロジェクト開発商品発表会を開催した。カレーパンやガレットなど、夕張産そば粉を使用して開発した4種類の商品を発表し、来庁者に配...

(2022-11-29)  全て読む

帯工高 流木処理実証実験 新手法導入し検証へ 菌糸含む液体を木材に噴霧

帯広工業高課題研究  【帯広発】帯広工業高校(中島泰彰校長)環境土木科生徒は9日から3日間、関係機関による協力のもと、流木処理に関する実証実験を行った。4年にわたり続く実験で、腐朽菌の種駒を木材に打ち込む方法に...

(2022-11-25)  全て読む