鳴門教育大院・藤村教授招き講演会 学力・授業観転換が必要 帯広栄小 問題発見力等育成を
(学校 2022-12-06付)

鳴門教育大院藤村教授講演会
鳴門教育大院藤村教授講演会

 【帯広発】帯広市立栄小学校(塩田直之校長)は11月22日、同校で鳴門教育大学大学院の藤村裕一教授による講演会を開いた=写真=。市内各校の教職員約30人が参加。GIGAスクール構想の理念を再確認し、子どもの問題発見・解決能力の育成に向けて教職員の学力観・授業観の転換が必要となることなどを学び、授業改善に向けて研鑚を積んだ。

 同校に勤務している石垣雄太教諭は、鳴門教育大学大学院学校教育研究科の藤村教授のもとで指導を受けている。指導の一環として同日、藤村教授が石垣教諭の授業を参観することをきっかけに、同校は教職員対象の教育講演会における講師協力を依頼した。

 藤村教授は、首相官邸の「教育再生実行会議」初等中等教育WG委員、「デジタル化タスクフォース」委員等を務め、日本の教育改革の在り方について検討を進める立場にある。文部科学省等の教育の情報化に関する大半の委員会に名を連ね、教員養成DX推進機構では機構長を務めている。

 この日、市内の啓北小学校、広陽小学校、大空学園義務教育学校の教職員を含め、約30人が参加した。

 藤村教授は「1人1台端末2年目の課題」と題して講演した。

 全国各地の学校を視察する中で、よく見られる授業展開や指導方法を示し「教え込みではなく、子ども主体で考える授業づくりを目指してほしい」「用意した解答のクイズにならないよう、子どもの思考の流れを指導案に組み込んでほしい」と呼びかけた。

 GIGAスクール構想に関しては「ICT活用を加速化させるものではなく、国が主導して授業改善を教育改革として行うもの」と説明。構想実現のため①教育改革の理念と理論を共有して必要性を実感②海外と比較して日本の現状を認識③具体的な実践イメージを写真や映像で共有④情報スキルを基礎力と捉える学力観⑤協働的な研修体制―の5点が重要となることを説いた。

 また、新学習指導要領の趣旨に触れ「問題発見・解決能力の育成が大切」とし、教職員の学力観・授業観の転換が必要となることを伝えた。

 秋田県が現在作成している情報活用能力系統表の中で、比較・分類や関連付けなど、考えるための技法を小・中・高校で一貫させていることを紹介。ほかにも、学び方や見方、振り返りの方法を校内および教室内に掲示し、個人の考える力を伸ばすための工夫例を示し、「学力が高い国や学校は、学び方の指導を徹底している」と伝えた。

 このほか、問題発見に結び付ける授業展開の方法や、獲得する学力が異なる授業類型とその役割などを示した。

(学校 2022-12-06付)

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