第38回寒地技術シンポジウム インフラ整備の意義は 雪対策など題材に5校発表
(学校 2022-12-05付)

 北海道開発技術センター(倉内公嘉理事長)は11月30日から3日間、札幌市教育文化会館で第38回寒地技術シンポジウムを開催した。2日目には、ほっかいどう学に関する特別セッションを開催。道内小学校5校が、道路整備や雪対策、治水事業を題材にした学習の成果を発表した。

 寒地技術シンポジウムは、積雪寒冷地における多様な技術や文化に関する情報の交流によって、北国・雪国の魅力的な生活文化の構築と、持続可能な地域づくりに寄与することを目指すもの。昭和60年から毎年開催している。

 シンポジウム2日目に当たる1日は、寒地とエネルギーや冬と防災および交通などに関する研究成果を提言した5分科会と、ほっかいどう学、雪寒対策とデータサイエンスに関する特別セッションが行われた。

 ほっかいどう学をテーマにした特別セッションでは、北見市立三輪小学校(片桐聡校長)、中札内村立中札内小学校(牧伊津子校長)、富良野市立東小学校(小林真弓校長)、札幌市立宮の森小学校(加瀬富久校長)、札幌市立米里小学校(神園真校長)の5校が登壇。雪害対策や道の駅整備効果、地域高規格道路整備の意義、石狩川の治水対策など、地域にちなんだ社会資本整備を題材にした学習の実践成果を報告した。

 三輪小の野原翔太教諭は「小学校社会科における“オホーツクみちの学習”の取組~第4学年“雪の災害に備えて”の実践」をテーマに発表。豪雪災害が頻発する北見市内において、各発注機関が国道や道道、市道を計画的に除排雪している「公助」の役割を取り上げ、地域の営みへの理解を深める学習を紹介した。

 授業によって「児童たちは除雪オペレーターへの感謝の気持ちや、道路維持管理の大切さへの理解を深めていた」などの成果を示した。一方で、教科書や副読本には雪害に関する記述や資料が少なく、教材化を進める必要性を指摘した。

 三輪小を除く4校の発表テーマと発表者はつぎのとおり。

▼中札内村中札内小

▽「ふるさとの魅力に気づく“道の駅”の教材化~“十勝みち学習”の取組より」=越祐太教諭

▼富良野市東小

▽「富良野道路の教材化と地域を愛する子どもたちの育成~上川みち学習の実践報告」=土橋千晶教諭

▼札幌市宮の森小

▽「札幌らしい特色ある学校教育の実現に貢献する札幌市雪学習プロジェクト」=栗原聡太郎教諭

▼札幌市米里小

▽「石狩川治水事業の教材価値の検証」=佐々木英明教諭

(学校 2022-12-05付)

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