世界遺産を活用した次世代育成事業 縄文人の生活読み解く 鹿部中で外部講師招き授業(学校 2022-12-08付)
鹿部中で外部講師招き授業
【函館発】道教委の縄文時代に学ぶ・世界遺産を活用した次世代育成事業のゲストティーチャー授業が11月29日、鹿部町立鹿部中学校(後藤正弘校長)で開かれた。㈱ジオ・ラボのアートディレクターで、遠軽町埋蔵文化センター学芸員の熊谷誠氏が講師を務め、1年生の社会科の授業を指導=写真=。生徒は伊達市北黄金貝塚のVR体験などを通して、北海道に定住した縄文人の暮らしを読み解いた。
事業は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録を機に、本年度から開始したもの。縄文時代の歴史や文化への理解促進や文化財保護意識の醸成を図ることを目的としている。
取組の一環であるゲストティーチャー授業は、縄文遺跡・文化の学習に熱心に取り組んでいる道内の小・中学校、高校14校を対象に実施。指導プログラムや指導案の作成を行い、次年度から各校で授業を行える体制を目指す。
渡島管内では鹿部中と森町立鷲ノ木小学校の2校が対象校に選ばれた。当日、両校で行われた授業のうち、鹿部中では1年生26人を対象に社会科の学習を活用して実施した。
講師の熊谷氏は「世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群から、北海道の縄文時代の人々の暮らしの移り変わりを学ぶ」を本時の目標に設定。
縄文時代の暮らしの移り変わりを捉える学習では、生徒が2グループに分かれて学習。片方のグループでは、伊達市北黄金貝塚のVRツアーを体験。貝塚の映像を大型スクリーンに映し、生徒は遺跡の広さや竪穴式住居の内部を探索して、構造を確認した。
熊谷氏は、貝塚が津波や洪水を避けるために高いところに位置していることや遺跡からは人骨が見つかっていることを伝え「当時の人々にとって大切な場所であることが分かる」と解説した。
残るグループは、千歳市から出土された土器や石器に実際に手を触れて確認。また、伊達市の北黄金貝塚からは牡蠣やマグロ、ウニなどの海産物のほか、シカの骨、狩りをする銛が発見されたことを学習し、当時の食生活に思いを馳せた。
生徒は「縄文時代は食生活が充実していた」「災害を考えて住む場所を決めていた」など授業を通して得た気付きを、チームスのチャット機能で送信。
授業後、由利曖翔さんは「縄文時代は、不自由な生活をしていたと思ったが、装飾品があったことや海産物などの食べ物があったことを知り驚いた。北海道では、他にどのような場所に遺跡があるのかを調べてみたい」と話すなど、学習意欲を高めた。
(学校 2022-12-08付)
その他の記事( 学校)
コンストラクション甲子園 決勝へ北見北斗、遠軽 オホーツク地区予選開く
【網走発】全国初の高校生を対象とした建設業の知識などを問うクイズ大会「コンストラクション甲子園」オホーツク地区予選が11日、北見市内のホテル黒部で開かれた。オホーツク管内の高校8校から20...(2022-12-14) 全て読む
道徳的価値観醸成へ 岩見沢東小 公開研究会
【岩見沢発】岩見沢市立東小学校(村上咲枝校長)は11月中旬、同校で道徳公開研究会を実施した。同校1~6年生それぞれで公開授業を行ったほか、京都市教委の毛利豊和専門主事が講演。思いやりや感謝...(2022-12-14) 全て読む
経産省 政策アイデアコンテスト 斜里高校が最優秀賞 自転車観光施策が高評価
斜里高校(増田康広校長)観光ビジネスチームの生徒たちは10日開かれた経済産業省の地方創生☆政策アイデアコンテスト2022最終審査会で、最優秀賞「地方創生担当大臣賞」に輝いた。新型コロナ感染...(2022-12-13) 全て読む
日体大附属高支の島﨑校長 総理大臣表彰を受賞 障害者関係功労者 道内現役校長で初
【網走発】日本体育大学附属高等支援学校の島﨑洋二校長は5日、東京有明セントラルタワーで挙行された「障害者関係功労者表彰」受賞式において、内閣総理大臣表彰の受賞の栄に浴した=写真=。北海道で...(2022-12-09) 全て読む
網走小 授業づくり研修会 学びの山頂上目指して 9つのフレーム設定し指導
【網走発】道教委の学校力向上に関する総合実践事業中核校の網走市立網走小学校(吉田昌広校長)は2日、同校で授業づくり研修会を開いた。道内小・中学校の教職員ら約130人が参加。研修テーマ「自他...(2022-12-08) 全て読む
道教大附属旭川小・中 授業力向上研 小中の多様な指導探る 道徳科3授業で研究協議
【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(笠原究校長)、附属旭川中学校(川邊淳子校長)は10月中旬、授業力向上セミナーをオンライン開催した=写真=。テーマ「小・中における“道徳科の多様な指導の手...(2022-12-07) 全て読む
鳴門教育大院・藤村教授招き講演会 学力・授業観転換が必要 帯広栄小 問題発見力等育成を
【帯広発】帯広市立栄小学校(塩田直之校長)は11月22日、同校で鳴門教育大学大学院の藤村裕一教授による講演会を開いた=写真=。市内各校の教職員約30人が参加。GIGAスクール構想の理念を再...(2022-12-06) 全て読む
進路決定に役立てて 岩農高 林業就業セミナーに参加
【岩見沢発】岩見沢農業高校(鎌田一宏校長)森林科学科2年生は1日、岩見沢市文化センターまなみーるで開催された空知管内林業就業セミナーに参加した=写真=。36人が出席。講話と林業事業体の個別...(2022-12-06) 全て読む
第38回寒地技術シンポジウム インフラ整備の意義は 雪対策など題材に5校発表
北海道開発技術センター(倉内公嘉理事長)は11月30日から3日間、札幌市教育文化会館で第38回寒地技術シンポジウムを開催した。2日目には、ほっかいどう学に関する特別セッションを開催。道内小...(2022-12-05) 全て読む
札幌学院大 HTBと連携協定 SDGs活性化、情報発信など 次世代人材育成で貢献
札幌学院大学(河西邦人学長)は11月29日、北海道テレビ放送(株)(HTB、寺内達郎社長)と包括的連携協定を締結した。学生を中心としたSDGsに係る諸活動の活性化や、情報発信・共同イベント...(2022-12-02) 全て読む