網走小 授業づくり研修会 学びの山頂上目指して 9つのフレーム設定し指導(学校 2022-12-08付)
新出教諭が指導した6年1組社会の授業
【網走発】道教委の学校力向上に関する総合実践事業中核校の網走市立網走小学校(吉田昌広校長)は2日、同校で授業づくり研修会を開いた。道内小・中学校の教職員ら約130人が参加。研修テーマ「自他のよさを生かし、学びを積み上げる資質・能力の育成」のもと、公開授業や授業協議を通じて、授業づくりの向上を図った。
同校は「年間1000時間の授業で子どもを育てる」をテーマに教育活動を展開している。
主な研修内容としては、①9つのフレームを用いた授業づくり②学びの山③ICTの効果的な活用④個人設定課題―に取り組んでいる。
①では、授業準備を効率的かつ的確に進めるための視点として、学びに必要感を持たせるための「向かう(導入)」、学びを充実させるための「深める(展開)」、学びを振り返らせるための「見つめる(終末)」の各プロセスで計9つのフレームを設定。教員は、授業のねらいに合わせて最適なフレームを選択し、授業づくりを進めている。
②は、本年度から新たに取り入れた、子どもたちの主体的な学びを促すための学びのプラン。単元計画を山登りに例えた学びの山は、学習者である子どもたち自身が、教師と共に単元計画をつくる活動で、自分で全体の見通しを持って学習を進めていくための「自己調整力」の育成を図っている。
具体的には、山の頂上に単元のゴールと、そこにたどり着くために必要な力を設定し、麓には既習事項を記載。既習事項をもとにして、ゴールに向けた学習内容や順序を山登りの道のりになぞらえて設定していくことで学びの山を作成する。
③では、グーグルクラスルームを用いた連絡事項の伝達やグーグルフォームを使ったアンケートの実施など児童、教師共に幅広い活用を進めている。
④では、教員一人ひとりが課題意識を持ち、主体的に授業力向上を図れるよう、個人設定課題を位置付けている。
当日は、1次公開と2次公開に分け、低中学年・高学年・特別支援で合わせて22授業を公開した。
6年1組社会「近代国家を目指して」(児童数32人)は新出哲也教諭が指導。
単元で身に付けさせたい力を「資料から分かることを既習と結び付けて、考えを持つ力」と設定。学習計画である学びの山を活用し、学びの山に具体的要素を書き込んだり、基本要素をまとめたりすることで、社会的事象を単元目標や既習事項との文脈の中で関連付けて考えさせることを目指している。
本時は単元の5時間目。目標は「日清・日露戦争について調べ、日本と世界の国々との関係の変化を捉え、分かったことを既習と結び付けて表すことができる」と設定した。個人設定課題は「児童の考えをより深める問い直し」。
新出教諭は、導入としてフレーム「問題意識を持たせる工夫」を設定。ビゴーの風刺画をもとに「なぜ朝鮮を釣ろうとしているのか」と問うことで、不平等条約改正のために国力を高めようとしている日本政府の考えを引き出した。
続いて、フレーム「資料や板書の効果的な活用」のもと授業を展開。日清・日露戦争の原因や講話の条件など資料から拾える情報については、児童自身が教科書やICTを活用して読み取り、その内容を自分たちで板書することで状況を整理させた。
最後に、フレーム「ねらいに合わせた振り返り」に基づき、日露戦争後の日本がどのように変化していったのかを質問した。
「日本の国力が増大したことが不平等条約につながった」との児童の予想を踏まえ、つぎの授業で取り上げる日露戦争の講和条約について追加資料を提示し、次回の学習へのつながりを持たせた。
授業後は、各部会に分かれて研究協議を行った。
(学校 2022-12-08付)
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