フードリサイクル堆肥活用校交流　食育、環境教育充実へ　札幌市教委　実践発表など

（札幌市 2022-12-15付）

フードリサイクル堆肥活用校交流会

　札幌市教委は１１月２９日、市内のＳＴＶ北２条ビルでフードリサイクル堆肥活用校交流会を開いた＝写真＝。活用校の栄養教諭、担当教諭や、農体験リーダーら３４人が参加。実践発表では、手稲西小学校の清水祐子栄養教諭がフードリサイクル堆肥を活用した作物の栽培、栽培した作物を活用した食育の取組について紹介し、ＳＤＧｓとのつながりなどの成果を報告した。

　市教委は、平成１８年度から学校給食フードリサイクル事業を実施。学校給食の調理くずや残食などの生ごみを堆肥化し、農家や学校に提供。子どもたちによる作物の栽培や収穫のほか、収穫した作物を学校給食に活用することで、食育・環境教育の充実を図ることを目的としている。フードリサイクル堆肥活用校の数は年々増加しており、本年度は２０８校に上る。

　泉照美栄養指導担当課長は開会あいさつで「交流会を通して多くの情報を持ち帰り、体験活動を生かした食育、環境教育のさらなる充実につなげてほしい」と呼びかけた。

　続いて、清水栄養教諭が実践発表。

　同校は３年度から、かつて飼育小屋だった一画を整備し、フードリサイクル堆肥を活用したダイコンの栽培を本格化。特別支援学級の児童が収穫作業に協力していること、掲示物や映像資料、授業などの機会を通して食の大切さを伝えていることを紹介した。

　取組の成果として、食を通じて環境について考える機会となるなど「ＳＤＧｓにつながる取組だった」と報告。取組の継続・発展に向けては、組織としての体制づくりの重要性を強調。校務分掌に位置付けた推進体制の確立、教科や委員会活動への位置付けなど「持続可能な方策を学校全体で考える必要がある」と述べた。

　このあと、グループに分かれて効果的な栽培方法について交流。協議に先立ち、農体験リーダーの宮本隆さんが「まずは土づくりをしっかりやることが大事」などと栽培活動のポイントについてアドバイスした。

(札幌市 2022-12-15付)