ヤングケアラー支援へガイドライン案　早期発見　学校の役割大　札幌市　校種別対応例など

（札幌市 2022-12-19付）

　札幌市は、１５日に開かれた第４回子ども・子育て会議児童福祉部会で、ヤングケアラー支援ガイドライン案を示した。早期発見に向けては「児童生徒と接する時間が長い学校関係者によるところが大きい」と強調。小・中学校、高校など発見者別の対応例などを示し、心身のケアなど学校で実施可能な対応や見守りに努めることを要請するとともに、必要に応じて児童相談所や市の関係機関に連絡するよう求めている。

　ガイドライン案では、ヤングケアラーを含む世帯支援を行うため、児童福祉や教育、地域関係者など分野の垣根を越えた機関連携が必要になるケースを指摘。特に、早期発見に関わっては「子どもと日ごろから接する時間が長い学校関係者の果たす役割が大きい」としている。

　気付くきっかけとして①遅刻や早退が多い②幼いきょうだいの送迎をしていることがある③提出物が遅れがち④優等生でいつも頑張っている⑤周囲の人に気を使い過ぎている⑥服装が乱れている⑦保護者が授業参観や保護者面談に来ない―など１４項目のチェックリストを例示している。

　ヤングケアラーと思われる子どもを発見した場合、本人や家族との信頼関係を構築する上で「現在の状況をどのように捉えているか、支援が必要であると考えているかなどの意思や希望を確認することが重要」と強調。虐待と関連するようなやむを得ない場合を除き、本人や家族の意思を尊重することの大切さを説いている。

　対応例では、小・中学校、高校、民生委員など、発見者のケース別に紹介。小・中学校関係者においては「欠席や遅刻が多いなどの児童生徒の対して面談を行った上で発見する」としている。一方、高校関係者では「生徒から家族のケアに関する相談を受けて発見する」としている。中学生と高校生では相談ニーズ等に違いが見られたアンケート結果をもとに、校種別で対応が異なる例を示している。

　発見した場合、校内の検討体制において「児童生徒の状況について情報を整理し、支援の必要性を検討する」としている。支援が必要な場合は、心身のケアなど学校でできる対応や見守りを行うよう求めている。

　虐待の疑いがある場合は対応や見守りを実施した上で連携の必要があると判断した場合は児童相談所、市の関係機関に連絡することを要請している。

(札幌市 2022-12-19付)