北専各連札幌支部　現職教員研修会　高校教育の現状理解　道教委・唐川学校教育監が講演

（札幌市 2023-01-18付）

北専各連札幌支部新年研修会

　道私立専修学校各種学校連合会（北専各連）札幌支部（布川耕吉支部長）は１０日、札幌ガーデンパレスで４年度現職教員新年研修会を開催した。道教委の唐川智幸学校教育監が「今、学校教育が変わる！～“令和の日本型学校教育”の構築を目指して」と題して講演。これからの高校教育に求められる学びとして、地学協働や探究的な学びの充実、ＩＣＴの活用に関わる現状を伝えた＝写真＝。

　研修は、現職教員が時代の変化や社会的ニーズに即応した実践的・専門的な職業教育を進めるに当たって、地域社会に寄与するために必要な情報を得るとともに、会員校間で意見交換することが目的。

　唐川学校教育監が「今、学校教育が変わる！～“令和の日本型学校教育”の構築を目指して」と題して講演した。

　冒頭、３年１月の中教審答申に言及し、これからの学校教育が目指す姿として「全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びが求められている」と述べた。高校において、従来の知識をインプットする学習から「過程を重視した学習や教科等横断的な学習の充実が必要だ」と説明した。

　高校教育を取り巻く課題として、生徒たちの多様化や学習意欲の低下、教師の長時間労働などを指摘し「教職員がより専門性を発揮するため、子の学びを支える伴走者としての能力を持たなくてはならない」と強調。子が主体的に学ぶ方向性を導くファシリテーターとしての役割を期待した。

　コロナ禍によってＧＩＧＡスクール構想が急速に進展し、小・中学校でＩＣＴ活用が定着する一方で、高校においても本年度からＢＹＯＤによる活用がスタートしたことを紹介。「保護者負担で端末を導入している以上、“使っていない”では説明責任が果たせない」と強調し、活用のさらなる深化を期した。

　これからの高校教育においては「学校で全ての教育を行うことは限界」とし、社会全体で子どもたちを育てる「地学協働」の重要性を指摘。地域の意欲ある若い人材を地域コーディネーターとして配置し、新しい発想のもと「地域の核となる学校をどのようにつくっていくかが大切だ」と述べた。

(札幌市 2023-01-18付)