札幌市 観光まちづくりプラン案　学校教育で理解促進へ　行動計画５年度に議論開始

（札幌市 2023-01-17付）

　札幌市は、次期観光まちづくりプランの素案をまとめ、１１日の検討委員会で報告した。専門知識・実践技能を有する観光人材育成に向けた産官学連携、学校教育における観光理解を深める機会の創出など、今後の施策展開に係る方向性を提示。具体の事業については５年度に議論を開始するアクションプランの中に盛り込む。

　市は平成２５年度、地域のまちづくりと観光振興を一体的に進めるため、令和４年度までを計画期間とする観光まちづくりプランを策定。前期は訪日外国人客の好調な伸びを主因に観光客の増加が見られたものの、２年に新型コロナウイルス感染症が流行。観光産業は大きな打撃を受け、現在もその影響が続いている。

　一方で、今後１０年間は２０３０冬季オリンピック・パラリンピック大会の招致、北海道新幹線の札幌延伸、都心の再開発の加速など、観光産業に関わる機会が多く訪れる。こうした状況の中、持続可能な観光地としてまちの発展を促すため、市は５年度から１０年間を計画期間とする次期プランの策定作業を進めている。

　今回示した素案では「大自然とともにある、北の首都～世界の旅行者に選ばれる持続可能な観光都市ＳＡＰＰＯＲＯ」を将来ビジョンに設定。前回プランの振り返りや現状分析に基づき、５つの施策の方向性、具体の取組をまとめた。

　教育関連の施策をみると、観光人材の確保・育成を図るため、地域資源の発掘から実際の誘客に至るまでの各プロセスで発揮する専門的な知識、実践的な技能を有する人材育成を産官学連携によって推進。また、学校教育の中で観光に関する理解を深める機会を創出する。

　また、ＳＤＧｓの取組を通じた教育旅行の誘致についても検討。市内の観光施設等でＳＤＧｓが学べる多彩な教育旅行用プログラムを提供し、観光を通じた子どもたちの学びに貢献しながら、新たなファンの獲得につなげる考えだ。

(札幌市 2023-01-17付)