札幌市立高学校間連携プログラム 次期活動のアイデアは アニマドーレサミット開く
(札幌市 2023-01-18付)

アニマドーレサミット2022
ワールドカフェ形式で話し合った

 札幌市立高校生を対象に食と農業に関する教育プログラムを展開する市立学校間連携プログラム2022年度アニマドーレの集大成「アニマドーレサミット」が昨年12月下旬、市内ジョブキタビルで開かれた。高校生13人、大学生スタッフ8人、大人スタッフ3人の計24人が参加。1年間の活動を振り返ったほか、グループごとに次期アニマドーレの活動に向けたアイデアを出し合った。

 アニマドーレは、北海道の農と食に触れることで「農の新たな伝え手を育成する」「高校生のキャリア探究を行う」ことを目的としたプロジェクト。様々な分野のプロフェッショナルと大学生スタッフが企画・運営している。

 1年を通して、他の札幌市立高校の生徒と共に農家での農業体験や商品開発、仕入れなどの体験的な学習を実施し、生き方や働くことの意義、命の大切さなどについて学んできた。

 サミットは、1年間の活動を振り返り、今後自分にどのようにつながっていくかを共有するもの。

 今回の進行は、札幌大谷大学講師の丸山昌宏氏が担当。4年に実施した活動をスライドを用いて振り返ったあと、ワールドカフェ形式で1年間の活動について全員に共有させた。

 第1ターンの問いは「アニマドーレに参加して、興味を持ったこと、学んだこと、影響を受けたこと」。メンバーを替えた第2ターンでは、第1ターンのテーブルで話されたことを簡単に共有し、つぎのテーマ「今後の自分の進路や生活に活かしたいことは何か?」について話し合った。

 最終の第3ターンでは、第1ターンで話し合ったテーブルに戻り、これまでに話されたことを共有。対話している間、それぞれが関心を持ったキーワードやイラストを模造紙に書き込んだ。

 また、印象に残ったキーワードを黄色でマークし、他のテーブルの模造紙を見て歩く時間を設定。黄色でマークされたキーワードには「農業はいろいろな視点」「やり方があって自由」「自分の教育観が変わった」「生産者と消費者のつながり」「人脈が大事」などが挙がった。

 続いて、マグネットテーブルの手法で「来年もしまたアニマドーレに参加するとしたら、やってほしいこと、やりたいことは」をテーマに次期アニマドーレの活動につながる企画をグループに分かれて考え合った。

 最初に、生徒たちそれぞれが自分が興味のあるキーワードやアイデアを書き込んだ紙を見せ合いながら会場の中を歩き回り「似たようなことを書いている人」「一緒に話すと化学反応が起きて楽しそうな人」「自分の書いたものを捨ててもいいと思えるくらい興味のあることを書いている人」などを基準に8つのグループに分かれた。

 話し合ったアイデアを画用紙にまとめ、全グループで発表。この日に出たアイデアを参考に、来年のアニマドーレの活動につなげていく。

 各グループのアイデアはつぎのとおり。

▽視野を広げるきっかけづくり+農と食を楽しむ

 一つの野菜の奥にある様々なストーリーを知る、そして魅力を伝えるアニマドーレストランを開催する。

▽インプット(話や収穫体験)からアウトプット(販売)まで

 農家の話を聞くだけではなく、農作業や収穫体験をして、その野菜を販売する。

▽農業体験

 じゃがバターに必要なものを自分たちで育て、作り、最後はみんなで料理して食べる。

▽食べたい!胃にインプットを!

 自給自足コース、消費者コース、収穫体験コースの3つに分かれ、調理の仕方もグループごとに考えて食べる。

▽農業だけではなく水産業にも触れてみよう!

 農業や漁業を学ぶ↓活用する(調理や加工)↓議論してアニマドーレの外にも発信する。

▽新しい農業システムの提案

 最新技術を使っている農家や研究している大学へ訪問、学んだことを通じて新たなプランを提案する。農家同士もつなげられるコミュニティーを。

▽アニマドーレキャンプ(農業に触れられる数日間)

 地域の特産物を購入しての自炊による地域貢献、農業を取り入れたレクリエーションなど。幅広く知り、深める。

▽これからの農業って?いい農業って?みんなで考えよう!

 様々なテーマでまずは話し合う、体験する・学ぶ、経験や得た知識をもとに再度議論する。

(札幌市 2023-01-18付)

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