千歳市教委４年度全国学力等調査　計画的家庭学習　小学校で増加　今後は授業改善や端末活用へ

（市町村 2023-01-19付）

千歳市の調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　千歳市教委は、４年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。教科に関する調査では、小学校、中学校とも全教科で全国平均を下回ったものの、児童生徒質問紙調査をみると、小学生で「計画的に家庭学習をする」児童が増加した。市教委は今後、授業改善やタブレット端末の活用などで学力向上を図る考えを示している。

　本年度の調査は、市内の小学校１７校の６年生７８０人、中学校８校の３年生６３７人を対象に実施した。

　区分別正答率をみると、小学校では国語の「話すこと・聞くこと」で、話し合いにおいて質問の意図を捉える問題、立場や意図を明確にしながら考えをまとめる問題の正答率が低く、前回調査を大きく下回った。

　算数は「数と計算」で前回とほぼ同様となった。２つの数を求める問題、加法と乗法の混合算でポイント数を求める問題の正答率が低く、領域全体の成績に影響した。

　理科は「エネルギー」「地球」が前回を大きく上回ったが、「生命」はやや低下した。平均正答率は前回を大きく上回り、全国と「ほぼ同様（下位）」の状況になった。

　中学校をみると、国語は「読むこと」が前回を上回った。「書くこと」では、考えが伝わるように根拠を明確にして文章を書く問題の正答率が低く、前回を下回った。

　数学は「数と式」において、自然数を素数の積で表す問題、目的に応じて式を変形して、その意味を読み取り、事柄が成り立つ理由を説明する問題の正答率が低く、前回より大きく低下した。

　理科は、全領域で全国を下回った。特に「生命」「地球」は全国との差が大きかった。

　児童生徒質問紙調査をみると、小学生で「計画的に家庭学習をする」児童が増加し、「普段、１時間以上２時間未満勉強する」児童が増加傾向にある。

　一方、中学校では、家庭での学習時間について、前回を下回り、全国を下回る結果となっている。市教委は、家庭での学習時間を増やす取組を展開していく必要があるとしている。

　学校質問紙調査をみると「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組むことができていると思うか」に対し、小学校では前回より４ポイント上昇し３５・３％、中学校は２５ポイント上昇し５０％となった。いずれも全国を大きく上回った。

　市教委は「授業の関心を高める工夫に加え、端末を家庭学習の復習に使うなど、学習時間を増やす取組を進めたい」としている。

(市町村 2023-01-19付)