稚内市教委　いじめ問題調査報告書　スクールロイヤー　活用等検討を　学校への適切な指導助言も

（市町村 2023-01-12付）

　【稚内発】稚内市教委は昨年１２月下旬、市いじめ問題対策委員会がまとめた調査報告書を公表した。３年５月に市立小学校で発生した事案に関するもの。市教委に対する今後の対策・提言では、学校への適切な指導助言に努めるととともに、スクールロイヤーの活用等を検討する必要性が示された。

　報告書は、３年５月に市立小学校で発生したいじめが原因で被害児童が転校した事案を調査したもの。発生までの経緯のほか、委員による関係者への聞き取り調査や学校の対応等について明記している。

　市教委では、同事案について調査・検討するため、第三者委員会として４年２月に市いじめ問題対策委員会を設置。委員会では１２回の会合のほか、児童・教員・保護者への聞き取り調査を実施した。

　調査内容をみると、被害児童がいじめ発生から９月に転校するまでの間、欠席日数が７日間であることや精神疾患に罹患している診断結果がないことから、文部科学省ガイドラインを踏まえ、同事案を重大事案と認定しないこととした。

　一方、事案発生後の学校における問題点では、管理職と一部の教員による指導のみに終始したことで、学校全体での組織的な対応につながらなかったことを指摘。その上で①研修の実施②組織的対応を現実的に可能とする組織とマニュアルの策定―を提言として示した。

　市教委については、法律による各措置への理解を深めることや保護者対応に関する問題提起と提言を示した。保護者対応では、スクールロイヤーの活用を検討する必要性などを挙げている。

(市町村 2023-01-12付)