登別市　中学校クラブ　５年度設立を提言　部活動地域移行で検討委　運営は市財団、市等に財源支援要望

（市町村 2023-01-10付）

吉野委員長（右）が小笠原市長と安宅教育長に提言書を手渡した

　【室蘭発】登別市における学校部活動の地域移行について検討を進めてきた「地域スポーツのあり方検討委員会」（吉野幸広委員長）は昨年１２月２７日、持続可能なスポーツに関する一体的な改革に向けた提言書をまとめ、市および市教委に手交した。５年度に新たな地域クラブ「仮称・登別市中学校クラブ」の設立を提言。運営は市文化・スポーツ振興財団が担うことが適当とし、市・市教委に対し運営等に係る財源の支援を求めた。

　国は、部活動の地域移行に関わって、５～７年度を改革推進期間に位置付け、公立中学校等における部活動の段階的な地域移行に向けた準備を進めている。

　市の検討委は３年２月に第１回会議を開催。４年１２月までに計７回の会合を開き、持続可能なスポーツに関する一体的な改革に向けた検討を進めてきた。

　提言をみると、５年度に仮称・市中学校クラブの設立を期待。市文化・スポーツ財団による運営が適当とした。移行に当たっては、児童生徒・保護者のニーズの把握に努め、具体的な取組内容や効果などを情報発信し、理解・協力を得られるよう取り組むこととした。

　実現に向けては、スポーツ関係団体の在り方を含めた段階的な取組が必要として、３ステップを示した。

　ステップ１では市、財団と各スポーツ団体・協会の連携強化を図るためそれぞれの役割を明確化。市教委がスポーツ推進基本計画などの政策立案や事業構想、財源の支援を担う。財団は事業の立案や運営、スポーツ協会・少年団等は加盟団体からの意見集約や事業への積極的な協力に努める。

　ステップ２では、さらなる連携強化を目的に、市教委が実施しているスポーツ関係事業を財団に集約。市および市教委は各事業に係る財源や、人的支援または人員確保に要する経費の支援などを盛り込んだ。

　ステップ３では、仮称・市中学校クラブをベースに、世代や団体の垣根を越えたスポーツに携わることができる環境づくりに各者が一体となって取り組む。

　一方、文化部活動に関わっては今後、文化活動関係団体を含めた新たな検討の場を設けることが望ましいとしている。

　手交式では、吉野委員長が小笠原春一市長と安宅錦也教育長に提言書を手渡し、財団の福川喜衍理事長が新たな地域クラブの設立・運営を申し入れた。

　安宅教育長は「子どもたちに活動の場、交流の場を設けることが一番の目的。できるところから少しでも早く進めていきたい」と述べた。

(市町村 2023-01-10付)