小樽市教委 算数・数学研修 子に学び委ねる時間を 東学大附属小金井小教諭招き
(市町村 2022-12-23付)

小樽市教委算数数学研修講座
示範授業や講演を通じて授業改善の具体について理解を深めた

 【小樽発】小樽市教委は11月上旬、小樽市立朝里小学校(遠藤隆典校長)で算数・数学教育特別研修講座1をオンライン開催した。市内小・中学校教員ら60人が参加。東京学芸大学附属小金井小学校の加固希支男教諭を講師に招き、同校の5年生に対し示範授業を行ったほか、個別最適な学びの実現に向けて講演。授業改善の具体について理解を深めた。

 研修講座は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、デジタル教科書を活用した算数・数学科の授業改善の具体について理解を深め、実践的な指導力の向上を図ることを目的に開催。同校の教員をはじめ、市内小・中学校教員らがオンラインで集い、合計60人が参加した。

 はじめに加固氏は同校の5年生に対し示範授業を実施。「ジュース1㍑を複数人で等しく分けるとき、1人分は何㍑になるか」と問いかけながら、割り算と分数の数式の成り立つ理由について指導した。

 このあと、主体的・対話的で深い学びの実現のための「個別最適な学び」を実現する算数授業のつくり方と題し講演。加固氏は冒頭、デジタル教科書の利点について「スクリーンショットやパワーポイントの活用によって、子どもたちが授業内容をまとめやすくなる」と伝えた上で「教科書の活用方法は、授業でみんなで見るものから、子どもが自分で学ぶときに使うものに役割が変化していく」と考えを述べた。

 次いで個別最適な学びの目的等について確認。その実現に向けては、各教科で養う資質・能力を育成する学習が大切であるとし、学習指導要領を踏まえ「こういう力を養いたい」という思いを基準に授業を展開するよう示唆した。

 単元構成については、一斉授業と個別授業を分けて計画するよう提示。前半に一斉授業で概念などを共有し、個別に子どものペースで発展した内容を進め、最後にそれぞれの学びを共有し、一斉授業としてまとめるといった単元計画のイメージを示し「子どもに学びを委ねる時間を増やすイメージで」と呼びかけた。

 個別学習のつくり方については、問題を解いた上で「どこに注目して考えたか」などの数学的な見方について考え、言語化させることが大切であると伝えた。さらに授業後半は、それぞれ興味のあることを自由に深める時間とし、問題をつくらせるなどして学習を発展させるよう求め「問題は1人で解かなくてはいけない、先生の指示があるまで自分でやってはいけないといった考えをやめ、周りの人と考えるなど学習形態を子どもが自由に選択することが基盤」と強調した。

 質疑応答では、参加者から「個別最適な学びの中でタブレットはどのように活用すべきか」などといった質問が寄せられた。加固氏は、考え方を共有する際に活用すると良いとした上で、共通点などの重要な部分を先生方から子どもたちに伝えるよう述べた。

(市町村 2022-12-23付)

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